
流通系クレジットカードが「審査が甘い」と言われているのは、発行枚数が多く、申し込み条件が厳しくないためだ。だが実際には、どのカードも申込者の返済能力をもとに審査が行われるため、必ず作れるクレジットカードは存在しない。
本記事では、流通系カードが審査に通りやすいとされる理由や、比較的審査のハードルが低いおすすめカード、そして審査通過のコツまで詳しく解説する。
流通系クレジットカードは本当に審査が甘いのか?

流通系カードは審査が「甘い」といわれることが多いが、必ず審査に通るクレジットカードはない。すべてのクレジットカードは申し込み時に返済能力が調査され、それを超える与信は行われないためだ。
一方で、流通系カードは、百貨店やスーパーなどの流通企業が集客を目的に発行するため、審査基準が比較的緩やかに設定される傾向がある。発行枚数や会員数も多く、申し込み条件も幅広いため、主婦やアルバイトなどでも審査に通過しやすい。
ここでは、週通経カードが審査に通りやすいといわれる理由や、審査基準を解説していこう。
流通系が審査に通りやすいといわれる理由
流通系クレジットカードとは、百貨店やスーパー、家電量販店などの流通企業が発行しているカードのことだ。これらの企業は集客の一環としてカードを発行しており、発行枚数も多い。
たとえば経済産業省が2018年に行った調査では、流通系カードの発行枚数は約355万枚と、他の業種に比べて圧倒的に多かった。
・百貨店・量販店、流通系:355万5,716枚
・信販会社:179万5,592枚
・銀行系:53万7,918枚
・中小小売商団体:12万4,815枚
さらに、流通系カードは申し込み条件が緩やかなことも多く、主婦や学生、アルバイトでも申し込みやすい。年収要件が設定されていないカードも多く、審査に不安がある人でもチャレンジしやすいのが特徴だ。
次の表は銀行系と流通系カードの一例だ。銀行系は「安定した収入」を条件としているのに対し、流通系は年齢要件のみで申し込みができる。
カード名 | 対象年齢 | 年収要件 | 公式サイト | |
---|---|---|---|---|
銀行系 | 三菱UFJカード | 18歳以上 | 本人または配偶者に 安定した収入 | 公式サイト |
銀行系 | りそなクレジットカード <クラブポイントプラス> | 18歳以上 | 安定した収入 | 公式サイト |
流通系 | エポスカード | 18歳以上 | ―(年収要件なし) | 公式サイト |
流通系 | SAISON CARD Digital | 18歳以上 | ―(年収要件なし) | 公式サイト |
流通系クレカの審査基準
カード会社は、それぞれ独自の審査基準を法令の範囲内で定めており、基準の厳しさには差がある。中には審査が厳しい会社もあるが、流通系のカード会社は、できるだけ多くの顧客にカードを使ってもらうことを重視する傾向がある。
審査が甘い?流通系クレジットカードおすすめ8選

申し込み要件がゆるく、審査に通りやすいと考えられるおすすめの流通系クレジットカードを8枚紹介する。
選定条件は次の3つだ。
・申し込み条件が緩やかで、18歳以上が対象
・年収要件がないか配偶者の収入でも申し込める
・年会費は無料または低価格(3,000円以下)の一般カード
申し込み要件がゆるいからと言って審査が甘いというわけではありませんが、今回紹介するクレカはカード会社の発行枚数や会員数が多いものを選んでいるため、比較的審査に通りやすいでしょう。

![]() PayPayカード | ![]() 楽天カード | ![]() イオンカード セレクト | ![]() エポスカード | ![]() SAISON CARD Digital | ![]() MICARD+ | ![]() ローソンPonta プラス | ![]() セブンカード・ プラス | |
対象年齢 | 18歳以上 (高校生除く) (※1) | 18歳以上 | 18歳以上 (※2) | 18歳以上 (高校生除く) | 18歳以上 | 18歳以上 (高校生除く) | 18歳以上 (高校生除く) | 18歳以上 (高校生除く) |
年収要件 | 本人または配偶者に 安定した継続収入 (※1) | ― | ― | ― | ― | 本人または配偶者に 安定した収入 (学生除く) | 本人または配偶者に 安定した収入 (学生除く) | 本人または配偶者に 継続して安定した収入 (学生除く) |
カード会社の 発行枚数or 会員数 | 1,254万枚 (2024年9月) | 3,184万枚 (2024年末) | 国内2,616万人 (2025年2月末) | 759万人 (2024年3月末) | 単体2,462万人 (2024年3月末) | 263万人 (2024年3月末) | ― | 354万枚 (2024年3月末) |
年会費 | 永年無料 | 永年無料 | 永年無料 | 永年無料 | 永年無料 | 2,200円 (初年度無料) | 永年無料 | 永年無料 |
即日発行 | 〇 (申し込み&審査で 最短5分で使える) | ― (1週間~10日) | 〇 (最短5分)(※3) | 〇 (約30分、店頭申込) | 〇 (最短5分) | 〇 | ― (最短3営業日、通常1週間) | ― (最短1週間) |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2.高校生は卒業年度の1月1日以降に申し込み可能
※3.カード情報をイオンウォレットアプリで受け取った場合
出典:PayPayカード、楽天カード、イオンカードセレクト、エポスカード、SAISON CARD Digital、MICARD+、ローソンPontaプラス、セブンカード・プラス
PayPayカード

対象年齢 | 18歳以上(高校生除く)(※) |
---|---|
年収要件 | 本人または配偶者に安定した継続収入(※) |
カード会社の発行枚数or会員数 | 1,254万枚(2024年9月) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | 〇(申し込み&審査で最短5分で使える) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | VISA、Mastercard,JCB |
出典:PayPayカード
- 年会費が永年無料
- PayPayアプリに登録するとポイント還元が最大1.5%にアップ
- Yahoo!ショッピング・LOHACOで最大5.0%還元
- 最短7分でデジタルカードを即日発行
- PayPay残高チャージの利用分へのポイント付与なし
- 旅行保険やショッピング保険の付帯なし
- ETCカードは年会費550円(税込)かかる
PayPayカードは、申し込み条件がシンプルでハードルが低いため、審査に通りやすいと考えられる。
PayPayカードの申し込み条件は、「日本在住の18歳以上で、安定した継続収入があること」だ。この条件を満たせば、基本的に誰でも申し込みできる。本人に収入がなくても、配偶者に安定収入があれば申し込める点も、審査の柔軟さを示している。
さらに、PayPayカードは積極的に会員を獲得している。2024年9月時点での発行枚数は1,254万枚にのぼり、過去3年間で約1.6倍に増加している。
この急速な発行ペースは、審査基準の緩やかさを反映している可能性があるでしょう。

楽天カード

対象年齢 | 18歳以上 |
---|---|
年収要件 | ― |
カード会社の発行枚数or会員数 | 3,184万枚(2024年末) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | ―(1週間~10日) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | VISA、Mastercard,JCB、アメックス |
- 年会費が永年無料
- 基本のポイント還元率が1.0%と高い
- 楽天市場で3.0%還元
- 楽天ペイへのチャージ払いで最大1.5%還元
- 海外旅行保険が利用付帯
- 即日発行は非対応で、発行までに1週間~10日かかる
- 公共料金や税金の支払いでは、ポイント還元率が0.2%に下がる
- ETCカードは有料(年会費税込550円)
楽天カードは柔軟な審査が期待できるクレジットカードの1つだ。年収要件が設けられておらず、申し込み条件も幅広いためだ。
楽天カードは、18歳以上であれば誰でも申し込める。主婦やアルバイトの人も対象であり、収入面での条件は緩やかだ。
さらに、楽天カードは異なる国際ブランドで2枚まで発行できる仕組みを採用しており、発行枚数は非常に多い。2023年には発行枚数が3,000万枚を超え、2024年末には3,184万枚に達している。
この発行規模からも、審査に通過しやすいカードである可能性が高いと考えられます。

イオンカードセレクト

対象年齢 | 18歳以上(※1) |
---|---|
年収要件 | ― |
カード会社の発行枚数or会員数 | 国内2,616万人(2025年2月末) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | 〇(最短5分)(※2) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | VISA、Mastercard,JCB、アメックス |
- 申し込み条件は18歳以上のみ
- 高校生も卒業年度の1月~3月なら申し込み可能
- デジタル発行なら最短5分で完了
- 毎月20・30日のお客さま感謝デーは5%割引
- イオン銀行口座の開設が必須
- 引き落とし口座はイオン銀行以外を選べない
イオンカードセレクトは、申し込みのハードルが低いため、比較的作りやすいクレジットカードだ。18歳以上であれば基本的に誰でも申し込め、高校生も卒業年度の1月1日以降であれば申し込み可能だ。
クレジットカードの多くは申し込み対象として高校生を除外していることが多いため、イオンカードセレクトの申し込み条件は幅広いといえます。

イオンカードセレクトは店頭での仮カードの即時発行にも対応している。オンラインで申し込み、審査完了後、仮カードを店頭で受け取る。仮カードには国際ブランドが付いていないため、イオンマークのある店でのみ使える。
また、イオン銀行の店頭で「バーチャルセレクト」を申し込めば、最短5分でアプリ上にカード情報が届くため、全国のiD加盟店やネットショッピングですぐに利用できる。
イオンカードセレクトを発行するには、イオン銀行の口座が必要だ。口座開設も含め最短即日で完了する。
エポスカード

対象年齢 | 18歳以上(高校生除く) |
---|---|
年収要件 | ― |
カード会社の発行枚数or会員数 | 759万人(2024年3月末) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | 〇(約30分、店頭申込) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | Visa |
- 高校生を除く18歳以上が申し込める
- 最短で本カードを即日発行、店頭で申し込みから約30分発行
- 海外旅行保険が充実(障害死亡・後遺障害は最高3,000万円など)
- 国内の優待店舗が多い(水族館・遊園地・テーマパークの入場料やフリーパス割引など)
- 国際ブランドはVisa以外を選べない
- 家族カードの発行なし(加入は本カード会員のみ)
エポスカードの申し込み条件は「日本国内に居住する18歳以上(高校生を除く)」であり、年収要件も設けられていない。そのため、学生や主婦、アルバイトなど幅広い層が申し込みしやすい。
エポスカードは本カードの即日発行にも対応している。マルイ系列の施設内に設置されているエポスカードセンターで申し込めば、審査完了後、最短30分で本カードが受け取れる。
インターネットから申し込んだ場合でも、審査結果はすぐに通知され、エポスカードセンターでの当日発行が可能だ。効率よく発行したい場合は、ネットから申し込んだあとに店頭に取りにいくと良いだろう。
SAISON CARD Digital

対象年齢 | 18歳以上 |
---|---|
年収要件 | ― |
カード会社の発行枚数or会員数 | 単体2,462万人(2024年3月末) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | 〇(最短5分) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、アメックス |
出典:SAISON CARD Digital
- 18歳以上なら高校生も発行可能
- カード会社はクレディセゾンで安心
- 会員数は単体で2,400万人超(2024年3月末)
- 最短5分で即日発行
- 最短5分発行は申し込み時の本人確認が条件
- ポイント付与率は0.1%で、還元率は使用レートで異なる
SAISON CARD Digitalは18歳以上で連絡可能な人であれば誰でも申し込みができる。さらに高校生も対象になっており、他のクレジットカードと比べても条件が緩やかだ。
発行元のクレディセゾンは流通系カードの大手で、会員の獲得にも積極的だ。2024年3月末時点で会員数は単体で2,462万人に達しており、そのうち40代以下の若年層が4割以上を占めている。
このような会員構成からも、入会のハードルが低いことがうかがえます。

申し込み後は、最短5分でデジタルカードがアプリに即時発行されるため、スピード感を重視する人にも向いている。
MICARD+

対象年齢 | 18歳以上(高校生除く) |
---|---|
年収要件 | 本人または配偶者に安定した収入(学生除く) |
カード会社の発行枚数or会員数 | 263万人(2024年3月末) |
年会費 | 2,200円(初年度無料) |
即日発行 | 〇 |
基本ポイント還元率 | 0.5% |
国際ブランド | Visa、アメックス |
- 対象は高校生を除く18歳以上
- 年収要件は配偶者が満たすならOK
- 三越伊勢丹グループ百貨店で本カードを即日発行できる
- 三越伊勢丹グループ百貨店で最大10.0%還元
- 年会費が税込2,200円かかる(初年度無料)
- グループ百貨店での利用もブランド品やセール品はポイント対象外
MICARD⁺(エムアイカード プラス)は、高校生を除いた18歳以上が申し込み対象だ。原則として申込者本人に安定した収入が求められるが、配偶者が年収要件を満たしていれば申し込みができる。そのため、本人に収入がない専業主婦・主夫でも利用できる可能性がある。
MICARD⁺は即日発行にも対応している。インターネットで申し込みを行い、受け取り方法に来店を指定すれば、最短で当日に本カードを受け取ることができる。
本カードは三越や伊勢丹などのグループ百貨店内に設置されたカウンターで受け取りが可能だ。
ローソンPontaプラス

対象年齢 | 18歳以上(高校生除く) |
---|---|
年収要件 | 本人または配偶者に安定した収入(学生除く) |
カード会社の発行枚数or会員数 | ― |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | ―(最短3営業日、通常1週間) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | Mastercard |
- 18歳以上なら誰でも申し込める(高校生除く)
- ローソン銀行以外も引落口座に指定できる
- ローソンでのご利用で最大6%
- 加盟店でPontaポイント1%還元
- カード発行は郵送のみで、最短でも3営業日かかる
- 家族カードは非対応
- ETCカードは発行に税込1,100円かかる(年会費は無料)
ローソンPontaプラスは申し込みを幅広く受け付けている。高校生を除き、18歳以上なら誰でも申し込みが可能だ。さらに、本人に年収がなくても、配偶者に安定した収入があれば審査に通過できる可能性がある。
ローソンPontaプラスは、申し込みをインターネット経由に限定している。申し込みが完了すると、本カードは最短で3営業日、通常であれば1週間ほどで郵送される。
ただし、これはオンライン口座設定を申し込み時に完了していることが条件だ。この設定を完了しなかった場合は、郵送でのやり取りが発生し、カード発行に時間がかかる。
セブンカード・プラス

対象年齢 | 18歳以上(高校生除く) |
---|---|
年収要件 | 本人または配偶者に継続して安定した収入(学生除く) |
カード会社の発行枚数or会員数 | 354万枚(2024年3月末) |
年会費 | 永年無料 |
即日発行 | ―(最短1週間) |
基本ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | JCB |
- 高校生を除く18歳以上が対象
- 学生は年収要件なし
- 専業主婦も対象で、配偶者に安定した継続収入があれば申し込み可能
- セブン-イレブンで最大10%還元
- 即日発行はできず、最短で1週間かかる
- 在籍確認があり、原則として申し込み後に勤務先に電話される
- 国際ブランドがJCBのみ
セブンカード・プラスは18歳以上であれば申し込みができ、本人または配偶者に継続的かつ安定した収入があれば、審査に通過できる可能性が高い。学生については年収要件がなく、高校生のみが申し込み対象外だ。
カードの発行は郵送で対応しており、最短で1週間ほどかかる。申し込み時に引き落とし口座の設定が完了していない場合は、手続きに時間がかかるため、発行までに3〜4週間を要する。
流通系クレジットカードの選び方

流通系クレジットカードの審査に通過しやすくするには、申し込み条件が緩やかで、年会費が無料のカードを選ぶのが有効だ。
18歳以上で年収要件がないカードは通過しやすく、年会費無料のカードは審査も比較的やさしい傾向にある。
また、普段利用する店舗に対応したクレジットカードを選べば、店頭での申し込みがスムーズなうえ、ポイント還元も高くなる。さらに、還元率や付帯保険、即日発行など、自分の利用目的に応じて選ぶことも重要だ。
申し込み条件が緩いもの
クレジットカードの申込条件の厳しさは対象年齢や年収要件に現れる。対象年齢は、法令上の下限である「18歳」が含まれるなら条件は緩やかといえる。
年収要件が設定されていなかったり、配偶者の収入でも申し込み可能であったりすれば、なおさら審査のハードルは低い。
一方で審査が厳格な上位カードは、これらの緩やかな条件に当てはまらないことが多い。たとえばゴールドやプラチナカードの条件は次のように設定されている。
年会費無料
クレジットカードの審査は、名前にゴールドやプラチナなどを冠した上位カードほど厳しくなる傾向にある。
・セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード(年会費2万2,000円):安定収入のある20歳以上(学生不可)
・楽天プレミアムカード(年会費1万1,000円):安定収入のある20歳以上
・dカード PLATINUM(年会費2万9,700円):20歳以上で本人に安定継続収入(学生不可)
自分の利用頻度の高いお店のカード
流通系カードは、母体である流通企業の店舗で申し込みや発行を受け付けることがある。
また、流通系カードはその流通店舗で還元を手厚くしていることが多い。
例えば、セブンカード・プラスの場合、通常のポイント還元率は0.5%だが、セブン-イレブンなら最大10.0%まで上昇する。セブン-イレブンの利用頻度が高いなら、より還元を受けやすい。
還元率、付帯保険、即日発行など目的にあわせて選ぶ
ポイント還元を優先したい人は、基本のポイント還元率が高いカードが候補だ。
例えば、楽天カードは1.0%と、基本の還元率が比較的高く設定されている。ポイントを貯めたい人には向いているだろう。
旅行が多い人は、旅行保険が付帯したカードを選ぶことで、もしものときの備えになる。
エポスカードには、カード決済で申し込んだ海外旅行に対して最大3,000万円の補償が付くため、旅先でのトラブルにも安心して備えられる。
急な出費が想定される人には、即日発行に対応したカードが便利だ。
たとえばPayPayカードは、申し込みから最短5分でカード情報が発行され、オンライン決済やスマホ決済ですぐに使い始められるため、急ぎの支払いにも対応できる。
流通系クレジットカードの審査に通りやすくなる方法

特に、以下の5点を意識すると、審査に通過できる可能性を高められるだろう。
流通系カードは比較的審査に通りやすいとされていますが、必ず通過できるわけではありません。審査に不安がある人ほど、こうした基本的な対策を意識し、通過の可能性を少しでも高めておくことが大切です。

申し込み情報は正直かつ正確に記載する
特に、虚偽申告が疑われれば審査の通過は期待できない。申し込みでは、必ず正確な情報を申告するようにしたい。
カード会社は審査時に本人確認が義務づけられています。本人確認が取れないと審査を進められません。申し込み情報は、提出する本人確認書類の情報と相違しないよう正確に申告しましょう。

申し込みは実際の情報を申告することも重要だ。
例えば、クレジットカードは申し込む際に年収を自己申告するが、過大に申告してはならない。虚偽申告が疑われ、審査に落ちることが想定される。
カード会社は審査時に信用情報を照会する。信用情報には、クレジットの利用履歴(クレジットヒストリー)のほか、勤務先などの情報も含まれる。虚偽申告は、カード会社に知られる可能性が高いことは知っておきたい。
キャッシング枠は必要最低限にするか、申し込まない
クレジットカードのキャッシングは現金を直接借りるサービスであるため、貸金業法上の審査が実施される。
一方、決済機能であるショッピング枠の審査は割賦販売法に基づいている。キャッシングを申し込むと審査が二重になるため、より厳格になる。
また、キャッシングは50万円以上(または他社を含め100万円以上)を申し込むと収入を証明する書類の提出が義務づけられている。提出書類が増えることから、審査の難易度も上がる。
クレジットカードの審査に通るか不安な人は、キャッシング枠を付帯させないことを検討しましょう。また、申し込む場合でも、できれば50万円までの範囲で必要最低限にとどめておいたほうが良いでしょう。

複数のカードに同時に申し込まない
クレジットカードは、申し込むとその記録が信用情報に6ヵ月間残る。
カード会社は、信用情報の照会時、申込者が同期間に多重申込を行っていると判断すれば、審査の通過を認めない可能性がある。
返済能力は、クレジット債務が大きいほど小さく評価される。同時に何枚ものカードへ申し込んでいる場合、債務が大きく見積もられ、結果として返済能力が不足し審査に落ちる懸念がある。
クレジットカードは、同時に複数へ申し込まないようにしましょう。また、審査に落ちた場合も、新規申し込みは6ヵ月の期間を開けることが望ましいでしょう。

安定した収入があることを示す(アルバイト、パートでも可)
カード会社は、申込者の返済能力をもとに利用枠を設定しており、収入が大きいほど返済能力は高く評価される。アルバイトやパートによる収入であっても、あるなら必ず申告することが重要だ。
資産や不労所得の記載欄がある場合は、同様に正確に記載することで、審査時の信頼性を高められる。
クレジットカードの申し込みでは、原則として収入証明書類の提出は不要だが、カード会社によっては提出を求める場合があります。
源泉徴収票や給与明細書、確定申告書などの収入証明書類を事前に準備しておけば、求められた際にもスムーズに対応できるでしょう。

信用情報をきれいにしておく
カード会社は申し込んだ人の信用情報を確認し、きちんと返済できるかを見極めている。過去に支払いの遅れがあると、返済能力が低いと判断されて審査に落ちる可能性がある。
そのため、滞納があれば早めに解消し、使っていないローン契約は解約しておくことが大切だ。
信用情報は個人でも開示請求ができます。代金の未払いがあれば、できるだけ早く支払い滞納を解消しましょう。また、カードローンなどの契約が残っている場合、解約することで審査に通過しやすくなる効果が期待できます。

よくある質問
百貨店系 | エポスカード(丸井グループ)、 MICARD+(三越伊勢丹グループ) |
---|---|
スーパー系 | イオンカードセレクト(イオングループ)、 LC JCBカード(ライフコーポレーション) |
オンラインショッピング系 | 楽天カード(楽天市場)、 PayPayカード(Yahoo!ショッピング) |
コンビニエンスストア系 | ローソンPontaプラス(ローソン)、 セブンカード・プラス(セブン-イレブン) |
必ず審査に通るとうたうクレジットカードは、闇金のような違法業者によるものである可能性が高い。悪質な事件に巻き込まれないよう、申し込みはもちろん、連絡も取らないことが大切だ。
百貨店やスーパー、コンビニエンスストアは、グループにカード会社を持つ場合があり、そのカード会社が発行するクレジットカードが流通系カードと呼ばれる。
流通系カードは、クレジットカードのなかでは審査に通りやすいといわれている。集客を目的に発行されることが多く、比較的入会しやすいとされているためだ。
デメリットは、ステータス性が低い傾向にあることだ。流通系カードは、グループ店舗での高還元といったお得を訴求することが多い。生活に近いカードで、ステータスカードにみられるような高級感は低い傾向にある。
債務整理は審査に大きなマイナスにはなるが、必ず入会を断られるわけではない。カード会社が返済能力を認めれば、その範囲で利用枠が設定される。
また、信用情報は一定期間で抹消される。信用情報の登録期間はCICとJICCが5年、全国銀行個人信用情報センターは最長7年だ。
これを経過すれば、少なくとも他のカード会社は債務整理を把握しないため、審査への影響が少なくなると言われている。
クレジットカードは申し込み条件がそれぞれ異なる。また、申し込みに年収要件を設けないカードや、配偶者の年収で申し込めるカードもある。収入に不安があるなら、申し込み条件が緩やかカードを選びたい。
また、クレジットカードは限度額30万円以下の申し込みの場合、返済能力の調査が一部省略される。審査の通過を優先するなら、少額での申し込みも検討したい。
収入を証明する書類は、原則としてクレジットカードの申し込みでは求められない。ただし、カード会社が個別に提出を求める可能性はある。
収入証明書類は、源泉徴収票や給与明細書などが考えられる。こちらも、カード会社が指定する書類を提出する。

証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079
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Twitter:@FP38346079
どのクレジットカードも具体的な審査基準は公表されていませんが、流通系カードは、利用者が増えることで本業である小売事業の売上増につながります。そのため、カード会社としては新規入会者を増やしやすいよう、審査のハードルを低くしていると考えられます。