親の老後資金が心配でも、聞き方を間違えると親が本音を話しにくくなり、かえって老後破産のリスクが高まるかもしれません。親も答えやすい聞き方を知り、親子で老後資金の話をして不安をなくしましょう。
NGな聞き方1 「老後のお金は大丈夫なの?」
「老後のお金は大丈夫なの?」という聞き方だと、親はつい「大丈夫」と答え、それ以上の話し合いができなくなることがあります。
日頃から気を遣わず話す仲だと、疑問をそのまま口にしがちですが、この聞き方だとお金の不安があっても「大丈夫じゃない」とは答えづらいものです。
一度「大丈夫」と答えると貯金が減っても「あの時は大丈夫と言ったのに」と責められる気がして相談しにくくなります。
逆に子供からしても、「大丈夫」と言われるとそれ以上は踏み込みにくいでしょう。
お金の話題を出しにくくなり、知らないうちに老後破産が近づいてしまうかもしれません。
NGな聞き方2 「貯金はどのくらいあるの?」
老後資金の心配から「貯金はどのくらいあるの?」と聞いても、親は「遺産をねらわれている」と感じ、お金の話をしてくれなくなることがあります。
もともと疑い深い性格でなくとも、退職金としてまとまったお金が入ると投資の営業などを受けることも増え、「みんなが自分のお金をねらっている」と感じることがあります。
一度お金の話で嫌な空気が流れると話題にしづらくなり、貯金が減ったり詐欺に遭ったりしても相談できなくなるかもしれません。
OKな聞き方1 具体的な数字を出しつつ「不安はない?」
老後資金の話では、まず具体的な数字を出し、寄りそう聞き方をしましょう。
「ニュースで見たんだけど」など前置きをして、「老後の生活費は●円もかかるんだね」「介護費用は平均●円らしい」など具体的な数字を出します。
その上で「不安はない?」「必要なら助けになりたい」と寄りそった声掛けをすると、親も相談しやすくなります。
また、最初に数字を話題にすることで「そのくらいは貯金でまかなえる」「家のメンテナンス費用が心配」「お金もかかるし施設には入りたくない」など具体的な話も出やすくなるでしょう。
OKな聞き方2 相続税の話をして「家族みんなで考えない?」
相続税を減らすのは家族みんなにメリットがあることなので、相続税の話を切り口にするのも一つです。
子供に心配されるのが苦手な親もいますが、相続税の話なら「子供に迷惑をかけたくない」と話し合いに応じてくれるかもしれません。
まず「法律が変わって一般家庭でも相続税がかかることがあるらしい」など前置きをして、「早めに対策すれば家族全体でかかる相続税を安くできるかもしれない」と家族のメリットを伝えます。
その上で「家族みんなで考えない?」と提案すれば、スムーズに家族会議に持ち込めます。財産の全体像が分かれば、相続税だけでなく老後資金の話もしやすくなります。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・「老後破産」しないために読みたい
・ブラックリストでも作れるクレカ5選【PR】(外部)
・今持っている株を売って新NISAで買い直したほうがいい?
・会社に転職活動がバレない転職サイトの機能
・「dジョブスマホワーク」で高ポイントをもらう方法