お年寄りをターゲットにした特殊詐欺は後を絶たず、最近では60代女性が、金融機関の職員を装った犯人からおよそ150万円をだましとられた。オレオレ詐欺などはよく耳にするが、そのほかにどんな手口があるだろうか。
1 払いすぎた医療費や保険料が返ってきます──還付金詐欺
還付金詐欺は、「還付金があるから手続きしてほしい」という口実でATMを操作させ、犯人の口座にお金を送らせる手口だ。
犯人は、自治体や年金事務所などの職員を装って「払いすぎた医療費や保険料が返ってきます」「一部未払いの年金があります」などと電話をかけてくる。
その後、携帯電話を持ってATMに行きお金を振り込むように指示される。当然、振り込んだお金は戻ってこないし、還付金が手に入ることもない。
冒頭に出てきた、60代女性が150万円をだましとられた詐欺もまさにこの手口だ。
金融機関の職員を装った男から「年金の前払いでお金が戻ってくるので、ATMで手続きする必要がある」と電話があり、指示されるがままに操作したところ送金してしまった。
2 未払いの料金を払わないと裁判になります──架空料金請求詐欺
架空料金請求詐欺は、実際には使っていないサービスの料金を請求してくる手口だ。
携帯電話のショートメッセージ(SMS)などに「有料サイトの料金が未納です」といったメールが届く。法務省や裁判所などを装って「このままでは裁判になります」といった内容のハガキが届くこともある。
不安になって記載されている電話番号に連絡すると「延滞料金は毎日加算されるのですぐに支払ってください」「今日支払えば裁判にはなりません」などと脅してくる。
支払い方法を聞くと「コンビニで電子マネーカードを買って、カード番号を教えてください」と言い、お金をだましとろうとすることがある。
3 キャッシュカードが不正に使われています──キャッシュカード詐欺盗
キャッシュカード詐欺盗(さぎとう)は、警察官や銀行などの職員を装った人物が、キャッシュカードをだましとる手口だ。
犯人はお年寄りに電話をかけて「キャッシュカード(銀行口座)が不正に使われています」「預金を保護する手続きが必要です」などと言う。
キャッシュカードの確認に行くという名目で自宅に来て、キャッシュカードと、暗証番号を書いたメモを封筒に入れさせる。
犯人はそのときに隙を見て、あらかじめ用意しておいた偽のカードと本物のカードをすり替え、口座から現金を引き出す。
封筒は本人が保管するものの、封筒に割印をして開けないように言われるので、カードがすり替わったことに気づきにくい巧妙な手口だ。
だまされないためにできることは?
詐欺の被害にあわないためには、ここで紹介したような詐欺の手口があることを家族で共有しておくことが大切だ。
お年寄りをターゲットにした詐欺は電話がきっかけで始まることが多く、自宅の電話をつねに留守番電話にしておくとよい。犯人は声が録音されて証拠として残るのを嫌がるからだ。
迷惑電話を防ぐ機能がついた電話に交換するのもよいだろう。
また、お金に関する電話やメールが来たらすぐに返事をせず、まずは周りの人に相談するよう心がけてほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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