ラーメン株の株価が好調に推移している。「ラーメン山岡家」を運営する丸千代山岡家 <3399> の株価は年始から2.7倍に上昇。「一風堂」の力の源ホールディングス <3561> は2.5倍、「熱烈中華食堂日高屋」のハイデイ日高 <7611> は5割の上昇を見せている。
値上げによる業績拡大が期待できる食品・外食業界のなかでも異彩の上昇率だ。その背景に迫ろう。
インフレ関連株としてラーメン株が注目
ラーメン株人気の背景はインフレにありそうだ。長いデフレ時代が終了し、インフレの時代が始まりつつある。原材料高を価格転嫁した値上げを消費者も受け入れるようになってきた。
値上げで需要が落ちなければ、企業の業績は値上げした分だけ拡大する。食品や外食株で値上がりが目立つのは、インフレ関連株として業績拡大が期待されるためだ。
なかでもラーメンは世界的に人気で、海外と比較すると値段が安く、インバウンド人気も高い。値上げ余地がまだありそうだ。
株価が上昇している企業は戦略が明快だ。続いてラーメン株として代表的な3社の基本戦略を比較する。
一風堂は海外展開で成長 海外売上高が国内を上回る
力の源ホールディングスの2023年3月期末の店舗数は国内139、海外134まで拡大した。
2023年3月期の全体の売上高は35%増の261億円。うち国内は、値上げ効果もあり11%増の114億円。海外は、積極出店で73%増の117億円。
海外展開を積極化しており、海外売上高が国内を上回った。国内は都市近郊やロードサイド店など需要の大きい地域を中心に出店する考え。海外では、中心地に旗艦店を出店する際に製造機能を併設した。今後も積極的に追加出店を行うことにより収益拡大する見込み。
山岡家はトラック運転手にフォーカス 国内成長率は一風堂超え
丸千代山岡家の2023年1月期末の店舗数は176店舗。北海道・関東・東北・東海地区の主要幹線道路沿いに出店している。東京には1店舗しかなく、それも多摩地区だ。海外はない。
2023年1月期は、コロナ後で物流の流れが戻ったことと値上げが寄与して売上高は24%増の186億円だった。国内売上の成長率は、力の源ホールディングスを上回っている。
同社は特殊な顧客層を狙っており、メイン顧客はトラック運転手。基本的24時間営業体制を敷いている。シャワー室を設置して運転による疲れをリフレッシュできるサービスを提供する店舗まである。
ハイデイ日高は地元にフォーカス、「ちょい呑み」で勝負
ハイデイ日高の2023年2月期末で店舗数は440店。海外店舗はゼロ。売上高45%増の381億円と、人の流れの回復メリットが一番大きい。値上げはしているが、創業時から続けている中華ラーメン390円の価格は維持している。
「熱烈中華食堂」の名前からも分かる通り業態としては中華屋だ。安い単価、昼でも可能な「ちょい呑み」で勝負している。小さいエリアで様々なニーズを取り込むことが狙いだ。従来の駅前繁華街への出店に加えて、郊外ロードサイドや乗降客が比較的少ない駅前への出店を行っている。
ラーメン界のガリバーになるのは?
ラーメンは日本を代表するフードだが、個人運営の企業が多い。ハンバーガーや牛丼、寿司のように今後、ガリバー企業が誕生する可能性もある。巨大なラーメン市場を巡り、競争が本格化していくだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・sasazawa / stock.adobe.com(画像はイメージです)
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