10月から始まるインボイス制度ですが、制度の内容が複雑であったり中止する声が上がっていたりするため、いまだに登録せず免税事業者のままでいる人もいるでしょう。しかし次のことに注意して、本当に大丈夫か改めて考えることが必要です。
登録しないと……取引先の税負担が増える
インボイスに登録しない人は消費税を支払う必要がありませんが、その代わりに取引先が支払うことになります。
たしかに、2023年10月1日から6年間は経過措置があり、取引先の税金は50~80%の割合で控除されます。
たとえば、免税事業者と取引先との間で1万1000円(税込み)の仕事の報酬が生じると、取引先が負担する税金は1000円ではなく、80%控除された200円です(2026年10月1日から2029年10月1日の場合は50%控除)。
しかし、この200円の負担が小さいと考えるかどうかは人それぞれのため、取引先に確かめたほうがいいでしょう。また、免税事業者がこの200円分を値引きして取引先に請求する方法もありますが、その場合は両者の事務処理の手間のわずらわしさも考えなければいけません。
登録したいなら……早くするにはe-Tax
もし、インボイス制度に対する考えが変わり、今からでも早めに登録したいと思ったなら、e-Taxで申し込むのがいいでしょう。申し込みが終わり自分の登録番号の通知を受けるまでの期間は目安として、書面でなら約2ヵ月半ですが、e-Taxなら約1ヵ月で済むからです(地域や時期によってかかる期間は異なる)。
登録したけど……後で取り消しもできる
もし登録した後、「やっぱりやめたい」と思ったら、免税事業者に戻れます。その際は、税務署に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を出します。
ただし、2024年1月1日以降にインボイスに登録した人は、取り消す手続きをしても2年間は消費税を支払い続けなければいけないため、注意が必要です。
インボイス制度の登録に不安を感じている人は、とりあえず登録してしばらく様子をみるのもいいかもしれません。
文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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