夫・妻の扶養に入っている人は、11月までに年収を調整して、103万円を超えないように注意しないと損をする。家族の扶養から外れ、住民税などを支払う必要が出てくるからだ。いわゆる「103万円の壁」を意識しないといけない。しかし、収入が少なくなると生活に困るという人は、「103万円の壁」を超えても働き続けたいだろう。もし、年収が103万円を超えて、扶養から外れた場合、手取りはいくらくらいになるのか?
11月までに年収を調整して103万円以内にしないと税金が高くなるかも?
年収と聞くと「1月1日から12月31日までの収入」をイメージする人も多いだろうが、そうとは限らない。家族の扶養に入るための年収は「12月31日まで働いた分」までではないこともある。このことを勘違いして年収が103万円を超えると、自分や家族の税金が高くなるかもしれない。
103万円を超すと所得税がかかり、扶養から外れて家族の税金が高くなる
たとえばアルバイトをしている大学生が、年収を103万円以内にして親の扶養に入れば、親が払う所得税が3万円から30万円ほど安くなる。
安くなる割合は親の所得額によって変わる。親の所得が500万円くらいなら6.3万円、800万円くらいなら12.6万円だ。
逆に扶養に入っている人の年収が103万円を超えると、その額だけ親の税金が高くなる。
仮に年収が104万円なら、103万円の場合に比べて子の年収は1万円増えるが、それ以上に親が払う税金が1万円以上増えてしまい、家族全体では手取りが減ってしまう。
103万円以内かどうかは「年内に払われる給料」で判断する
重要なのは、扶養に入っている人の収入が「103万円以内かどうか」だ。その収入とは、「その年に払われる給料」の合計のことをさす。
このため、12月に働いて翌年1月にもらう給料は含まない。逆に、たとえば2022年12月に働いて23年1月にもらった分の給料は含む。
今年もらう最後の給料が12月だから、給料が翌月払の人は、「11月にどのくらい働くか」で調整しなければならない。103万円以内にするための調整は、12月では遅いということだ。
「年収が103万円を超えた!」税金が上がって世帯年収が激減する?
アルバイト・パートの人の年収が103万円を超えると、家族の扶養に入れなくなるが(いわゆる「103万円の壁」)、収入が途絶えると困るので103万円を超えても働き続けるという人も少なくないだろう。もしも年収が103万円を超え、扶養からも抜けたら、手取りはいくら変わるのか。
103万円を超えた額に所得税5%・住民税10%がかかる
年収が103万円を超えると「税の扶養」から外れてしまう。たとえば、年収が103万円から104万円に1万円増えると、その増えた分に、所得税5%と住民税10%の合計15%の税金がかかる。
1万円の15%は1,500円なので、税引き後の8,500円だけ手取りが増える計算だ(厳密には復興特別所得税もかかりますが今回は省略する)。
103万円を超えて1万円分多く働くごとに手取りが8,500円増えるので、2万円多く働いて105万円なら1.7万円、4万円多く働いて107万円なら3.4万円、手取りが増える。
なお103万円を超えても130万円までは、「社会保険の扶養」からは外れない。
103万円を超えても130万円は超えないほうがいい
年収が130万円以上になると「社会保険の扶養」からも外れてしまい、健康保険料や年金保険料がかかる。
国民健康保険料は自治体によって金額が異なり、国民年金保険料は月額約1.6万円となる。1年だと、国民年金保険料だけで20万円近くも負担が増える。
また、150万円を超えると、配偶者の税金を計算する際に引ける控除額が減って税金が高くなる。
そのため、たとえ103万円を超えて働く場合でも、年収は130万円未満にするほうがいいだろう。
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「年収が103万円を超えた!」税金が上がって世帯年収が激減する?【パート・バイト】
文/編集・dメニューマネー編集部
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