親がタンス預金をしていたことが、死後に発覚した場合、相続争いが起きてしまうかもしれない。また、税務署に脱税を疑われることも──。タンス預金をしている親の行動には特徴がある。次のようなものに当てはまるのなら、相続争いなどを避けるために気をつけたほうがよい。
タンス預金をしている親の特徴
親がタンス預金をしていると、親の死後に同居していた身内が持ち去ったり、税務署から脱税を疑われたりトラブルになりがちだ。タンス預金をしているかもしれない親の特徴を知り、親にタンス預金のリスクを伝えよう。
「いざというときに迷惑はかけない」が口グセ
「いざというときに迷惑はかけない」と口にする親は、葬儀代としてまとまった現金をしまっていることがある。
本人が亡くなったと銀行が知ると、口座は凍結され、遺族でも簡単にはお金を引き出せなくなる。
もともと相続人が勝手にお金を引き出して持ち去るなどのトラブルを防ぐためだが、葬儀代を払おうにもお金を引き出せないという問題が生じていた。
そのため、2019年からは葬儀代などすぐに必要なお金については、遺産分割が終了する前であっても仮払いとして故人の口座から引き出せるようになった。
最近の改正なので、親はこの払戻し制度を知らず、自分が相続時にお金を引き出せなくて苦労した経験からタンス預金をしている可能性がある。
迷惑とはお金のことを指しているのかたずね、払戻し制度の仕組みについてそれとなく伝えてみるといいかもしれない。
国に財産を知られることを恐れている
国に財産を知られたくないと考えている親は、現金を手元に置くことにこだわり、多額のタンス預金を抱えている可能性がある。
マイナンバーカードと口座を紐づける制度が始まったとき、「国に預金残高がバレるのでは」という不安が広がった。
デジタル庁は、口座を紐づける目的は給付金をスムーズに受け取れるようにするためで、預金残高が国に知られることはないと公表しているが、それだけでは不安が消えない親もいるだろう。
親がマイナンバーカードを作っていないようなら、それとなく理由を聞いてみるといいかもしれない。
タンス預金が相続トラブルに発展!家族を困らせるリスク
まとまったお金を家で保管、いわゆる「タンス預金」をしている人もいるだろうが、タンス預金は相続トラブルにつながるリスクがあることを知っておかねばならない。具体的には、次のようなリスクがある。
相続手続きがやり直しになって手間がかかる
亡くなった人のタンス預金を遺産分割協議や相続税の申告が終わったあとに見つけると、これらの相続手続きがすべてやり直しになることがある。
相続税の申告期限の10ヵ月を過ぎた後にやり直すと、期限までに正しく納税しなかったことになり、罰金を科される場合がある。
家族が相続する財産が罰金の分だけ減ってしまうので注意が必要だ。
脱税と見なされて罰金や懲役刑を科される
亡くなった人が生前に口座からお金を引き出してタンス預金にした場合、税務署が過去の入出金履歴を調査してそのことに気付くと、相続税を免れるため、意図的にお金を隠した、つまり「脱税」と見なされてしまうことがある。
脱税になると、相続人である家族に多額の罰金が科されることや、脱税犯として有罪判決を受けて10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金を科される場合がある。
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タンス預金が相続トラブルに発展!家族を困らせる3つのリスク
文/編集・dメニューマネー編集部
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