自宅で現金を貯金している、いわゆるタンス預金だが、隠しているつもりでも税務署が把握していることがある。なぜ、銀行に預けていないのに、税務署はお金のことを知っているのか。また、大金を家に置いておくと、空き巣以外のリスクもある。どんな危険が隠れているのだろうか?
タンス預金が税務署に知られるケース
相続時に実家にタンス預金がある場合、相続財産にタンス預金を含めないとあとで税務署からお尋ねや税務調査がくることがある。税金は国税総合管理システム(KSKシステム)で一元管理されており、怪しいお金の動きが分かれば追徴課税を受けることもある。近い将来に相続が想定される人は、必ず確かめておきたい。
相続後7年以内に大きな買い物をすることで分かる
相続後7年以内に大きな買い物をすると、相続したことが税務署に知られてしまう。
たとえば、年収400万円の人がいきなり年収を超える金額の車や分不相応な金額のマイホームを買うと、何かしらの財産を隠し持っていると思われても不思議ではないだろう。
相続税の申告をすべき財産を申告せずに相続した場合、時効成立までは7年ある。相続があったことは住民票などの記録から簡単に分かるので、最初から隠さずに申告したほうがよい。
相続税が異様に少ないことでバレる
タンス預金のまま保管し続けるとしても、相続税が少なすぎることで分かることがある。
税務署は、被相続人のこれまでの収入や納税額を把握しており、金融機関へ情報開示の請求ができる。
被相続人の入出金記録などをたどれば、高額なタンス預金があると疑われる可能性は高いので、もし、高額の現金が家にあれば申告しておくべきだろう。
タンス預金に潜むリスク
日本全体で100兆円を超えるとされる「タンス預金」は(日本銀行調べ)、現金が必要になったときにすぐ使えるなどメリットが多いように感じるが、次のようなリスクもある。
家族が誤って処分してしまう
着なくなったジャケットの中など、お金の持ち主にしか分からない場所にしまってある場合、本人が亡くなったあとに遺族がそれを知らずに誤って処分するリスクがある。
たとえば、使わなくなったカバンなどに100万円を超えるお金を隠していたとして、自分が亡くなったあと、家族が処分してしまったら大きな損失をまねくことになる。
タンス預金について、できるだけ早いうちに家族間で情報を共有すれば問題ないかもしれない。しかし、本人が急に亡くなる、認知症になるなどの不測の事態によって、共有できなくなってしまうかもしれない。
また、タンス預金を長く続けていると本人も保管場所を忘れてしまい、うっかり処分してしまう可能性もゼロではない。
資産運用でお金を増やすチャンスを逃す
タンス預金は資産運用でお金を増やすチャンスを逃すことにつながり、お金を増やすどころか、物価が上がった分、相対的に価値が目減りしてしまう。
投資などは資産が減ってしまうリスクはあるが、分散投資などで長い期間運用すれば、リスクを抑えつつ資産を増やせる可能性が高くなる。
たとえば、120万円を10年間タンス預金していても120万円のままだが、毎月1万円を10年間積み立てて年率3%で複利運用した場合、元本の120万円は約140万円になる。
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タンス預金に潜む3つのリスク 空き巣に狙われるだけじゃない?
文/編集・dメニューマネー編集部
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