定年後は思っていた以上にお金がかかることが多い。そのため、50代のうちにお金を効率よく貯めるべきだろう。老後にかかる出費にどのようなものがあるのか知っておき、老後貧乏になることを未然に防ぎたい。
定年前に知っておきたい老後の出費
老後に備えて、介護費用や家のリフォーム代などを貯めている人は多いだろうが、そのほかの思わぬところで大きなお金がかかることがある。盲点となりやすい老後の出費を見てみよう。
子どもが結婚するときの援助費用──平均は160万円超え
いまは子どもが結婚するときに費用を援助するつもりがなくても、相手の親がお金を出すとこちらも出すことになる場合があるので、気に留めておきたい出費だ。
挙式や披露宴・ウエディングパーティーにかかるお金を親から援助してもらった人は、総額でどれくらい出してもらったのだろうか。全国平均は、およそ163万円だ(ゼクシィ「結婚トレンド調査2022」、以下同じ)。
新郎と新婦の親から半分ずつ出してもらうとしても、決して少ないお金とはいえないだろう。 実際に親や親族からお金を出してもらった人の割合は、全国でおよそ72%。いまは援助を考えていなくても、備えておいたほうが安心かもしれない。
孫へのプレゼントや学費援助など──「孫破産」する人も
年金収入のみでつつましい生活をしていても、孫のことになるとお金を惜しまず、いつの間にか老後資金が大きく減ってしまう人も少なくない。
孫にかけるお金は、お年玉や誕生日・クリスマスのプレゼント、入学・卒業祝い、学費の援助など、数えればキリがない。
中には孫にお金をかけ過ぎて、老後資金がなくなる「孫破産」に陥る人もいる。
かわいい孫のためにお金をかけたい気持ちはわかるが、年間の予算を決めたほうがよい。 1年間で孫に使ったお金の平均は、およそ12万円というデータもある(ソニー生命保険「シニアの生活意識調査2022」)。
あくまでも平均なので、自分の状況に合わせて決める必要があるが、この金額は一つの基準になるだろう。
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定年前に知っておきたい老後の3つの「意外な出費」
50代で老後資金を貯める方法
50代で貯金がない人が老後資金を確保するためには、若い世代とは違った工夫が必要だ。比較的短期間で老後資金を確保するための方法を見てみよう。
住居費を節約する
固定費の中で最も大きな負担となる「住居費」をまず見直そう。
50代は、子どもが大学を卒業して自立する時期でもあるので、家賃の安い地域や部屋数の少ない物件に引っ越すことで住居費を抑えられる。月3万円家賃を安くできれば、30年間で固定費を1,080万円削減できる計算だ。
マイホームがある人は、マイホームを担保にしてお金を借りられる「リバースモーゲージ」を検討してみよう。
家はあっても収入が少ないという高齢者が、家を手放さずに一定の資金を確保できる手段といえる。
副業やパートで収入を増やす
住居費の節約や金融商品への投資でカバーしきれない部分は、副業やパートで収入を増やして老後資金を確保しよう。
今では、パソコンやスマホ1台でできる副業が数多くあり、初期投資はほとんどかからない。
副業で月3万円以上稼いでいる人は全体の6割以上いるので、十分な副収入になる可能性がある(パーソルキャリア2021年8月調査)。
副業で稼ぐのが難しい人は、パートやアルバイトで稼いでもいいだろう。体力的に問題なければ、60代以降もある程度の収入を確保できる。
ただし、おいしい副業を紹介するという詐欺も増えている。副業にせよ投資にせよ「おいしい情報」には裏があると考え、安易に飛びつかないようにしたい。
文/編集・dメニューマネー編集部
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