老後の一人暮らし、いわゆる”おひとりさま”の生活費は、どのくらいかかるのだろうか。事前に「あまりかからないだろう」と決めつけて対策していないと、もらえる年金が生活費に足りず、生活に困ってしまうかもしれない。また、会社員などがもらえる厚生年金だけで”老後の生活費をすべて”まかなえる人は、どれくらいいるのだろうか?
老後独り身…厚生年金だけで生活できている人は何割くらいいる?
老後を一人で迎える場合、年金でどれくらい生活をカバーできるだろうか。また、厚生年金だけで生活できる人はどれくらいいるのか。
65歳以上の単身無職世帯の収入と支出金額の平均
総務省の「令和2年家計調査年報(家計収支編)」によると65歳以上の単身無職世帯1ヵ月の収入は13万6,964円、支出(消費支出+非消費支出)は約14万4,687円で毎月7,723円が不足となっている。
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同データは、ある特定のモデルケースの高齢単身者に基づいたものだ。しかし一般的に老後独り身の方が厚生年金だけで生活していくのは難しいといえる。 実際に老後独り身かつ厚生年金だけで生活している方の割合について正確なデータはない。しかし厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると2019年時点で高齢者世帯全体のうち48.4%が年金以外の所得を得ていないことが明らかとなっている。
そのため老後独り身の方も厚生年金だけで生活している割合は少なくないと考えられる。
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「おひとりさまの老後」に備えて定年前にできること
独身の人や伴侶に先立たれた人は、定年後の生活は一人なので、あまりお金はかからないと思っているかもしれないが、おひとりさまの老後は意外とお金がかかるもの。年金だけで生活していくのは、難しいだろう。一人で生活している人は、現役時代から老人になったあとの生活を見据えて、いまから対策を立てておく必要がある。
生活水準が高い場合は下げるべき
生活水準を見直し、優先順位を付け、少しずつ生活をコンパクトにしていくことを心がけたい。
おひとりさまは自由になるお金や時間が多く、趣味や交友関係にまつわる出費がかさみがちだ。また、長年一人暮らしをしていると、食生活や衣服、寝具など生活全般にわたって、自分なりのこだわりが生まれやすくなる。
退職して年金生活になったときに、いきなり生活水準を下げるのは難しく、かといって現役時代と同じ生活を続けていると毎月の赤字が膨らんで、一気に貯蓄が減りかねない。
お金の使い方にメリハリをつけ、優先度の低いものにかけるお金を少しずつ減らしていきたい。
老後に利用したいサービスとかかるお金を知る
老後に使えるサービスの種類や費用を知り、必要なお金を蓄えておくことも大切だ。
老後に頼れる親族がいないと、お金を払って外部のサービスを利用する必要がある。
たとえば、安否確認をしてくれる見守りサービスや、入院の際に必要となる身元保証サービス、葬儀の手配をしてくれる死後事務委任契約など、おひとりさまならではの問題を解決してくれるサービスはたくさんある。
身体が不自由になれば、家事代行を依頼することになるかもしれない。
あらかじめ不測の事態などを予想して、いまからお金を蓄えておきたい。
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「おひとりさまの老後」の生活費はいくら必要?定年前にできる2つの対策
文/編集・dメニューマネー編集部