自動車大国・アメリカの「2020年販売台数ランキング 」のトップ10のうち、5つが実は日本車だ。こう聞いてどんな車種が思い浮かぶだろうか?
その5車種はもしかしたら意外かもしれない。というのも、そのうち3つがホンダ「シビック」「CR-V」、トヨタ「カムリ」と、日本では(たしかに誰もが知っている存在ではあるものの)「爆売れしている」という印象のない車種だからだ。意外な日本車が爆発的に売れているのは、なぜなのか。トップ10入りしたに本社5車種のうち、意外に思えた3車種について見ていこう。
2020年の販売台数ランキングを確認
まずランクインしたに本車をみる前に、トップ10を順におさらいしておこう。2020年の販売台数ランキングの上位10車種は次のとおりだ。
1位 フォード Fシリーズ
2位 シボレー シルベラード
3位 ラム ピックアップ
4位 トヨタ RAV 4
5位 ホンダ CR-V(333,502シリーズ)
6位 トヨタ カムリ
7位 シボレー エキノックス
8位 ホンダ シビック
9位 GMC シエラ
10位 トヨタ タコマ
5位 ホンダ「CR-V」 2020年の販売台数 33万3,502台

5位にランクインしたホンダ「CR-V」は、日本では1995年に初代が発売された、ミドルサイズのクロスオーバーSUVだ。都会・街なかでの使用に違和感のない雰囲気と、実用性の高さがうけてヒットしたが、国内のSUVブーム終えんと共に人気は下火になった。2019年4~9月の日本国内販売実績では、トヨタRAV4が約4万台売れたのに対し、「CR-V」はわずか5,000台強と雲泥の差だ。
一方、SUVブームが止まらないアメリカでは、販売台数こそRAV4(ランキング4位、43万387台)に負けているものの、「ベストコンパクトSUVアワード2021」ではRAV4を抜いて2位。他にも様々なアワードで上位にランクインするなど、非常に評価が高い。燃費の良さやパフォーマンス、ゆったりとした乗客スペースなど、ファミリーカーとしても不動の人気を誇る。
メーカー希望小売価格:2万5,350 ~3万5,150 ドル(約278万~386万円)
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6位 トヨタ「カムリ」29万4,348台
6位に入ったトヨタ「カムリ」は北米でベストセラーに君臨するDセグメントセダン。日本経済がバブル成長期に向かう1980年に、「セリカ」のセダン版として初代が発売された。国内では「クラウン」や「マークII」の華やかさに圧され気味だった。さらに、北米市場に合わせて代替わりするごとに大型化していったことが足かせとなり、道路・駐車場事情の異なる日本では需要が伸びなかった。
一方、アメリカでの人気は年を追うごとに高まり、販売ランキングでは上位の常連に。運転のしやすさ、燃費の良さ、走行中の安定感などが高評価を受けている。機械のトラブルが少ないため、レンタカーとしても人気があるという。
メーカー希望小売価格:2万4,970 ~3万5,545ドル(約274万~390万円)
8位 ホンダ「シビック」26万1,225台
ホンダ「シビック」は1972年に初代が発売され、80~90年代にわたり、若者の間で一世を風靡したCセグメントカー。2010年に国内販売が打ち切られ、7年の歳月を経て復活を果たすものの、現行モデルの国内月間販売台数は3桁台とかつての勢いは見る影もない。
ところがアメリカでは、「ベストコンパクトカー2021」で1位を獲得するほどの人気を誇る。コンパクトカーでありながら力強く、内装も凝っている。さらには燃費が良く、スペースも十分である点などが幅広い層に受けているようだ。
メーカー希望小売価格:2万1,050 ~4万3,995ドル(約231万~483万円)
意外な車が売れるのは、海外と日本の需要が違うから?
CR-V、カムリ、シビックは日本でもおなじみの車種ではあるし、販売も堅調ではある。北米で売れているのは、海外と日本の需要、道路事情の違いなどが影響しているためだろう。
ちなみに11位以下を見ると、日産クロスオーバー「ローグ」が11位、トヨタの中型SUV「ハイランダー」が14位にランクイン。こうした北米モデルに加え、トヨタ「カローラ」が13位、やホンダ「アコード」が17位に入っている。
文・アレン琴子(オランダ在住のフリーライター)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
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