【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説
政治と経済は不可分の関係にあり、政治の動きは日経平均に対しても影響を大きく与えるとされます。特に大きな政治イベントとして考えられるのは選挙です。選挙は日経平均にどのような影響を与えているのでしょうか。
政権交代後が日経平均に与えた大きな影響
最近の10年間で政治の動きが大きく株式市場に影響を与えた事例としては、2012年11月の政権交代でしょう。衆院議員選挙で民主党が敗北、自民党が政権を奪取し、いわゆる「アベノミクス相場」が始まりました。
この時期の日経平均(月間ベース)の動きを見ると、2012年11月の安値は8661円05銭であり、翌12月の高値は1万0395円18銭と大きく上がっています。2013年以降も上昇が続き、2015年4月には2万円の大台を回復しました。
こうした動きは日本だけのことではありません。米国では4年に1度大統領選挙が行われますが、大統領選挙の年は株価が上昇すると言われています。その米国の選挙結果も、日経平均に影響を与えています。2016年11月のトランプ政権誕生時も、日経平均は急落しました。
過去10年の選挙前後の株価を比較
直近の衆院議員の任期は10月21日ですので、今秋には選挙が行われます。任期満了前に衆院解散・総選挙となるのか、任期満了日まで延ばすのかなど様々な憶測が飛び交っています。現在の菅政権に対する支持率が低迷するなか、選挙結果への警戒は強いところでしょう。
過去の衆院選後の日経平均を見てみましょう。直近10回(1990年~2017年)の衆院選の月と翌月の動向を検証すると、1990年の時は1989年のバブル最高値後の影響もあり、3万7666円83銭から、翌月には3万円の大台を割り込んでいます。しかし、それ以降は翌月の日経平均はいずれも上昇しています。
年 | 解散月の安値と翌月の高値との比較 |
---|---|
1993年 | 1万9621円46銭から2万1026円60銭(+7.16%) |
1996年 | 2万0592円33銭から2万0943円90銭(+4.64%) |
2000年 | 1万6318円31銭から1万7614円66銭(+7.94%) |
2003年 | 9614円60銭から1万0676円64銭(+10.04%) |
2005年 | 1万2506円97銭から1万3738円84銭(+9.84%) |
2009年 | 1万0204円00銭から1万0544円22銭(+3.33%) |
2012年 | 9432円46銭から1万1138円66銭(+18.08%) |
2014年 | 1万6755円32銭から1万7795円73銭(+6.20%) |
2017年 | 2万0400円78銭から2万2937円60銭(+11.43%) |
2021年 | ? |
政局不安がなくなり買い戻されるかも?
次の衆院選は、新型コロナウイルス感染症の拡大で不透明感がより強まっていると見られます。過去の経験則では、選挙前には売買が手控えられるほか、いったん保有株を減らす動きに向かいやすいようです。
そのため、選挙後には不安要因が払しょくされることから物色意欲が高まりやすく、これが日経平均の上昇に影響を与えているようです。また、様子をうかがっていた海外投資家などが買い戻しに動く展開も期待されそうです。
文・村瀬智一(RAKAN RICERCAアナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
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