最近はUber Eatsの配達パートナーとして働く人が増えているが、業務内容に宅配を含む職業としては「ヤクルトレディ」のほうがはるかに歴史は古い。ヤクルトレディとして実際に働いたら平均月収はどれくらいになるのだろうか。また人気の理由はどこにあるのだろうか。
ヤクルトレディの報酬は「歩合制」
まず、ヤクルトレディは「個人事業主」であり、ヤクルト <2267> に雇用されているわけではない。そのため「時給」という概念ではなく、販売実績に応じた報酬が支払われる。簡単に言えば「歩合制」というわけだ。
実際には、売上にマージンをかけた金額がヤクルトレディの報酬となり、マージンは20〜25%程度であることが多い。売上が多い人ほどマージンが高くなる仕組みを導入している販売所もある。
1ヵ月でどれくらい稼げるの?
実際、ヤクルトレディは1ヵ月どのくらい稼げるのか。
ヤクルトの公式サイトでは「ほとんどの方が10万円前後の収入を手にしています」と説明されている。仮にマージンが20%だとすれば、逆算すると、ほとんどの人が月に50万円程度を販売できているということになる。月15万〜16万円の報酬を得ている人もいるという。
ちなみに、働き始めてから最初の3カ月間は1日4,000〜5,000円が最低保証額として支払われるようだ。
また、ヤクルトレディは歩合制のため、効率良く売上を増やすことが月の報酬アップにつながる。そのため多く稼ぎたい場合は、稼ぎやすい商業エリアなどを販売所の担当者にあててもらったり、新規営業に力を入れたりする必要がある。
Uber Eatsのほうが稼げそうだが……
仮にヤクルトレディとして毎週5日働いて、月15万〜16万円の収入を得たとしよう。その場合、Uber Eatsとどちらが割が良いだろうか。
結論から言えば、Uber Eatsのベテラン販売員では同じように毎週5日働いて月収20〜25万円ほど稼げる人も少なくないと言われているため、Uber Eatsに軍配が上がりそうだ。
ヤクルトレディを支える支援の仕組み
しかしそれでも総合的に見れば、ヤクルトレディとして働くことを選ぶ人は今後も減らないと思われる。それは、ヤクルトレディを支える仕組みが充実しているからだ。
例えば、ヤクルトの販売所の1つである「東京ヤクルト販売株式会社」では、東京都内に「東京ヤクルト保育園」が59カ所あり、ヤクルトレディであれば抽選なしで満1歳以上の子供を預けられる。保育園バスで子供も迎えにきてくれる。
近年は東京都も待機児童が減りつつあるが、いまも自治体によっては入園先が決まりにくいケースもある。こうした中では、特にシングルマザーなどにとっては非常にありがたい制度だろう。
また、業務中にケガをしたり病気にかかったりした場合は、「療養見舞金」や「休業見舞金」、「打ち切り見舞金」などの制度があるほか、顧問税理士から確定申告のサポートを受けられることも心強い。
手厚い支援制度があるヤクルトレディ
Uber Eatsもヤクルトレディも同じ個人事業主扱いだ。しかし、ヤクルトレディの場合は個人事業主扱いながら、手厚い支援制度があることが魅力だ。こうした理由で、稼ぎはUber Eatsにやや劣るかもしれないが、今後もヤクルトレディが少なくなることはなさそうだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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