日本の5大総合商社と言えば、三菱商事 <8058> 、三井物産 <8031> 、伊藤忠商事 <8001> 、住友商事 <8053> 、丸紅 <8002> だ。「商社マン=高給取り」というイメージが強いが、ではこの5社の中で平均年収が最も高いのはどの企業だろうか。入社難易度が日本一高い三菱商事か。それとも……。
総合商社の中で平均年収が最も高いのは?
早速5社の平均年収を各社の有価証券報告書から探っていこう。平均年収は毎年変動するため、過去5年間の平均値で争うこととする。
総合商社5社の平均年収の推移と平均値 | |||||
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会計年度 (3月期) | 三菱商事 | 三井物産 | 伊藤忠商事 | 住友商事 | 丸紅 |
2021年 | 1,678万円 | 1,482万円 | 1,627万円 | 1,356万円 | 1,192万円 |
2020年 | 1,631万円 | 1,393万円 | 1,565万円 | 1,437万円 | 1,452万円 |
2019年 | 1,607万円 | 1,430万円 | 1,520万円 | 1,389万円 | 1,389万円 |
2018年 | 1,540万円 | 1,419万円 | 1,460万円 | 1,304万円 | 1,322万円 |
2017年 | 1,386万円 | 1,213万円 | 1,383万円 | 1,255万円 | 1,221万円 |
平均値 | 1,568万円 | 1,387万円 | 1,511万円 | 1,348万円 | 1,315万円 |
結果として、過去5年間の平均年収の平均値が最も高かったのは、三菱商事の1,568万円だった。それに続くのが伊藤忠商事で1,511万円。以下、三井物産が1,387万円、住友商事が1,348万円、丸紅が1,315万円と続いている。
入社難易度でも三菱商事が業界トップ&日本一
総合商社は、毎年発表される就職人気ランキングでも上位の常連だ。中でも、今回の平均年収で首位となった三菱商事は日本で最も入社難易度が高いとされる非常に狭き門だ。
大学通信の試算による「2020年『企業入社難易度』上位10社(全業種)」によれば、三菱商事がトップで、ほかの総合商社は3位が三井物産、10位が伊藤忠商事、13位が住友商事、15位が丸紅となっている。
三菱商事が平均年収と入社難易度で二冠となった格好だが、最新の就職人気ランキングでは伊藤忠商事に負けていることも紹介しておきたい。
就職情報大手のマイナビなどが行った「2022年卒版 就職企業人気ランキング」によれば、「総合商社・専門商社」部門の1位は伊藤忠商事、2位は三菱商事で、以下、住友商事、三井物産、丸紅と続いている。
ランキングの順位がガラリと変わることも
総合商社をさまざまなランキングで分析してきたが、現在の順位が今後も維持され続けるとは限らない。
総合商社はさまざまな分野でビジネスを行っており、為替や資源価格の影響を大きく受けやすい。そのため、ある企業の業績が一気に良くなったり、逆に別な企業の業績は急速に悪化したり、といったことも起こり得る。こうしたことは、平均年収や人気度に大きく影響する。
ランキングの順位はがらっと変わることもあるということを、念頭に置いておきたい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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