説明できますか?「ダイバーシティー」──社会の一人ひとりが協力して個性を発揮する

2021/12/16 08:15

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「女性活躍」「高齢者雇用」「障害者雇用」「LGBT」といった最近よく聞かれる言葉、それぞれ関係がないようですが、これらをつなぐ1つの言葉(概念)があります。それが「ダイバーシティー」です。 連載「そのコトバ、子どもに説明できますか?」第10回 “Diversity”(ダイバーシティー)とは、そもそも「多様性」と訳される

「女性活躍」「高齢者雇用」「障害者雇用」「LGBT」といった最近よく聞かれる言葉、それぞれ関係がないようですが、これらをつなぐ1つの言葉(概念)があります。それが「ダイバーシティー」です。

連載「そのコトバ、子どもに説明できますか?」第10回

“Diversity”(ダイバーシティー)とは、そもそも「多様性」と訳される英単語です。「多様性」という言葉自体が一見して意味も明確で非常に分かりやすいので、表面的にこのダイバーシティという言葉を捉えてしまっている方も多いのが現状です。

しかし、ビジネスの世界で使われる場合、もう少しこの言葉の指す意味合いについて考える必要があります。特に日本では、どうしても意味が少し狭くとらえられがちだからです。

日本におけるダイバーシティーの問題点

例えば、米国は「人種のるつぼ」「人種のサラダボウル」などと呼ばれるほど、(白人を中心としつつも)多くの民族から成り立っています。その点、日本では日常生活で人種や肌の色を意識する機会は米国と比べれば少ないでしょう(人種差別への意識が低いといった話とは別です)。

また、宗教に関しても日本では「自分は無宗教だ」と考えている人が多いようです。しかし、実態としては、例えばお正月には神社で(神道)、結婚式は教会で(キリスト教)、葬式はお寺(仏教)でといったように、様々な宗教とある種おおらかに向き合っていると言えるでしょう。

こうしたお国柄、社会的な背景もあって、日本ではダイバーシティーという言葉が、性別や年齢、価値観、キャリア/経験、障害の有無などに注目した「多様性」として用いられていることも多いです。そこでは人種や宗教的な意味合いは欠けています。

ダイバーシティーは今や重要戦略?

もともとダイバーシティーという概念は、人権や差別問題を背景に生まれたこともあって、企業からすれば“受動的”“ネガティブ”な色合いがありました。

しかし今では企業が競争力を生み出す戦略の1つとして積極的/ポジティブな位置づけへと変化しています。

ちなみに経済産業省もダイバーシティーを重視した経営は推進しています。同省ではダイバーシティ経営の定義を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」としています。

孔子の言葉に「三人行けば必ず我が師有り」というものがあります。どんなにそりが合わない人からも、自分の心持ち次第で学べることはあります。

先入観や思い込みで他人や物事を判断せず、多くの人の考え方や視点を知ることがダイバーシティーの第一歩となるのではないでしょうか。

文・若杉篤史(RAKAN RICERCA代表)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

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