BTS(防弾少年団)やブラックピンクなどK-POPスターたちは、芸能事務所の練習生として厳しい訓練を経てデビューしています。厳しいことで知られるシステムですが、ビジネスパーソンが部下を育てる際の参考になるところもありそうです
韓国芸能界の養成所の仕組み
K-POPスターになるためには、芸能事務所の練習生になる必要があります。
オーディションに受かって練習生になり、歌とダンスの訓練を無料で受けられます。
2年~8年ほどの練習生期間を経てデビューできるのはわずか0.1%だそうです。
短期間で養成できる理由はなぜか?
オーディションの段階で素質のある子を選んでいるとはいえ、なぜ3、4年の間に世界的スターになれるほど成長できるのでしょうか?
たとえばブラックピンクのリサは練習生になった時は韓国語をまったく話せず、ロゼはダンスを一度も習った事がなかったといいます。そんな状態から数年で一流になれるのは、個々の才能だけではなく、育成のシステムに秘密があるのではないでしょうか。
育成システムの特徴の一つは、毎月の「評価」の制度にあります。事務所によって違いはあるものの、おおむね共通している点を紹介します。
練習は当然毎日長時間行われ、プロの講師たちが厳しく指導しますが、それだけでは急激にうまくはなりません。
日本の事務所との違い
日本の芸能事務所と違い、韓国の場合は練習生たちは毎朝、事務所(会社)に“出勤”します。そこで授業のような形式で、歌とダンスの基礎だけでなく、言語や話し方、マナーなどを学ばせます。ただ学校のように教えるだけでなく、自分たちに長所と短所を徹底的に分析させ、成長を促します。
そうして毎月、主に月末に社長や指導者ら20人ほどの前で評価が行われます。練習の成果が見られないことが続くと残念ながら退所させられることもあります。そこでは、練習生たちが日頃あまり会うことのない社長やクリエイティブ責任者から直接アドバイスを受けたり、厳しい評価を受けたりして、次の評価に向けてまた厳しい練習に戻ります。そこで上層部に見出されることはデビューにつながりますし、時にもらえる褒め言葉に練習生たちのモチベーションが再びあがるのです。
このように、レッスンと評価を毎月繰り返すことで、多くの人材が短期間で目を見張るような成長を遂げられるようになっているのです。
なお評価の場は養成所、事務所内だけではありません。時には練習生に公演や大会に参加させることもあります。
そもそも人材発掘にも積極的で、オーディションも韓国国内はもちろん世界各国で行いオンラインやメールで応募できるなど、遠方からでも応募できます。
芸能という特殊な世界だからこそできていることもありますが、こうした練習・評価・振り返りを繰り返す仕組みからは、企業が人材を育成するうえでも大いに参考にできそうです。
超過酷でも挑戦する若者が後を絶たないワケ
厳しい育成期間を経て華々しくデビューしても、苦労は続きます。事務所との契約は7年までが一般的のため、練習生の間に投資した分を事務所は7年間のうちに取り戻そうと、とても忙しいスケジュールを組みます。
また昨今、デビュー時の年齢が下がっていることもあって、高校、大学進学を断念することもあり、デビューできなかったり、デビューしても売れなかったりした場合に就職先がないなどの問題があります。
ただそうした問題があるのは分かっていても、晴れてスターになった後に手に入る莫大な富と名声を目指して、多くの若者が挑戦しつづけるのです。
文・金舜華(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月4日公開記事)