将棋の藤井聡太4冠(竜王・王位・叡王・棋聖)が今年度に獲得した賞金や対局料を合わせると、実質1億円以上になるという。11月13日に勝利した竜王戦の賞金は将棋界最高の4,400万円で、その高さに注目が集まるが、そもそも「対局料」も高額なのだろうか。
将棋プロ棋士の対局料
実は、棋戦に参加して対局することで支払われる「対局料」はほとんど公表されていない。
ただ、タイトル保持者と挑戦者が争う8大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖)のなかで最高峰とされる竜王戦だけは、タイトル保持者への挑戦者を決める「挑戦者決定戦」の対局料を数年前まで公表していた。当時は460万円だったという。
竜王戦の優勝者を決める「7番勝負」の対局料は、現時点では公表されていない。ただ、挑戦者決定戦の対局料である460万円を上回ることは間違いないだろう。
竜王戦以外のタイトル戦の対局料をネット上の情報などから推測すると、挑戦者やタイトル保持者の場合は、数百万円になるようだ。
8大タイトル戦に参加しなければ給料ゼロ?
仮に8大タイトル戦に参加しなかった場合も、給料がゼロになるわけではない。朝日杯将棋オープン戦や銀河戦など、8大タイトル戦とは別に存在する10の公式棋戦に参加すれば対局料が支払われ、当然ながら優勝すれば賞金がもらえる。
また、プロ棋士には固定給も支払われる。この固定給を決めるといわれているのが、名人戦の予選である「順位戦」だ。順位戦の結果や前年度の成績などを踏まえ、A級・B1級・B2級・C1級・C2級の5つにランク付けされ、毎月もらえる固定給が決まる。
そのほかにも、CM出演や本の出版、アマチュアへの指導料、講演、イベント出演などから収入を得られる。
このように収入源こそ多様だが、CM出演や本の出版のオファーは、トップ棋士に来る可能性が高くなると考えられ、やはり実力で収入が決まる厳しい世界といえるだろう。
(2021年11月21日公開記事)
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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