フランスで生活するひろゆき氏が、日本人の外国人入国禁止について思うこととは。また子育てや教育に関する発言、記事連載も持つ氏は、教育についてはどのような考えを持っているのだろうか?(インタビューは21年12月上旬に行われました)。(聞き手:濱田 優・dメニューマネー編集長)
移民を労働力として安易に受け入れるのは止めたほうがいい
──日本をもっと住み良い国にすると考えた時に、お金の制度に限らずもっとこうしたほうがいいんじゃないか、ということはありますか?
最近の話ですごいなって思ったのは、外国人の入国禁止ですね。外国人っていっても日本人と結婚していて、子供が日本に居る人も含まれるんですよ。
外国生まれだけど日本人と結婚してずっと日本に住んでいて子供もいるような人でも、たまたま出張で海外にいたっていう人が、外国人だから入国できません、という状態になりかけたみたいなんですよね。
そこで「さすがにやりすぎでは」と考える人が少数派で、世論としては正しい政策だという評価になっちゃう。そんな国に、外国の優秀な人が住みますかね? たとえばアメリカ人と日本人の夫婦で、お父さんだけ日本に入れない、なんてことになったら、「そんな国はヤバいからやっぱりアメリカに住もう」ってなるでしょう。
まあその施策は撤廃したようですけど、日本人ですら日本に帰国できないというルールになりかけたらしいですからね。
もしそうなると、たとえば商社勤務の人が、東南アジアとかに行って病気になったとして、「ここの医療では足りないから日本に緊急帰国したい」ってなっても、帰れないわけです。日本って食糧とか石油とかって外国から買ってこないといけない国なのに、そんなことになったらヤバいですよね。さすがにそれはまずいということになったみたいですけどね。
──「日本人とは何か」というところに関わりそうですが、どうしてそういう発想になってしまうんでしょうかね。
日本に住んでる人の多数派が、知り合いの中に外国に行って生活したり、稼いでる人が少ないから、「別にそういう人がいなくなっても困らない」って思ってるんでしょうね。
──想像力が足らないってことですかね。
小学生とかってたぶんそんなもんだと思うんですよ。その自分の身の回りに居ない人はもう本当にないと思ってる。その感覚の人が日本では多分、多数派なんでしょう。フランスだとちょっと考えられないですね。
──移民を労働力として入れるのはいかがなものかともおっしゃっていましたね。
移民問題って、アメリカとかヨーロッパでも結構あるんですけど、基本的にはそのスキルのある優秀な移民しか入れないんですよ。肉体労働しかできない人にビザは出さない。今イギリスがトラック運転手いないので例外的に入れてますけど。
そういう特殊な状況で一時的ならともかく、そういう人を国に入れてしかも永住できるようにするのって、さすがにどうなのかなと思ってます。日本人の給料が下がるだけですからね。
教育:どうでもいい大学に税金を入れるくらいなら潰したほうがいい
──教育について思われることってありますか?
どうでもいい大学を潰したほうがいいと思いますね。
会社に大卒じゃないと入れないということもあるんでしょうけど、ただ、大学4年間でどんな知識が得られましたかって言うと、本当に何も手に入らなくても卒業できる学校が結構ある。ある程度のそのスキルがちゃんと手に入った証明という意味で、大学の卒業証書はあった方がいいんじゃないかなと思いますが……。
そう考えると、日本の結構多くの文系学部とか文系大学はあんまりいらないんじゃないかっていう感じになって。多分なくなっても困んないですよね。その大学関係者以外。
その……私立とかであれば、まあ好きにやればいいと思うけど、公費、税金が入っちゃってる大学でもそうですからね。留学生がたくさん逃げてるような大学は潰せばいいって思いますね。
取材/構成・濱田 優(dメニューマネー編集長)
ひろゆき氏の新春インタビュー 全5回公開予定
・「日本で不動産を買う」のに否定的な理由
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・「新卒はすぐ会社を辞めるな」というのはなぜ?仮想通貨の投資はどう考えるか(MONEY TIMES、1月3日)
・どうでもいい大学は潰したほうがいい(本記事)
・「宝くじを買うこと」を問題視した本当の理由
ひろゆき(西村博之)
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、『1%の努力』(ダイヤモンド社)、『論破力』(朝日新書)、『誰も教えてくれない日本の不都合な現実』(きずな出版)などがある。
(2022年1月4日公開記事)