2021年度の新型コロナウイルス感染症関連の倒産で、最も負債額が大きかったのは東京商事の1,004億8,300万円だった。同社はホテル経営をしている企業。負債額が2番目に大きかったのがホープエナジーの300億円のため、東京商事の負債額の大きさがうかがえる。
東京商工リサーチ4月8日に発表したもので、倒産件数は全体では1,770件で、前年度比53.2%も増えている。
負債100億円を超えた倒産企業5社はどこ?
負債額の上位(ワースト1)は次の通りだ。
順位(ワースト) | 企業名 | 負債額 |
---|---|---|
1位 | 東京商事 | 1004億8300万円 |
2位 | ホープエナジー | 300億円 |
3位 | イセ食品 | 278億4700万円 |
4位 | D-LIGHT | 213億円 |
5位 | D-PROX | 177億円 |
東京商事のような負債1,000億円超の大型倒産は、2018年度のMT映像ディスプレイの負債1,033億2,600万円以来、3年ぶりだ。
ホープエナジーは、2022年3月22日までに不足インバランス料金などの債務不履行に基づき、取引のある全ての一般送配電事業者との託送供給契約が解除され、同日開催の取締役会で破産申立を決議した。負債額は300億円となる。
イセ食品は、飼料価格の高騰や卵価の低迷などにより収益性が低下、2021年1月期の年売上高は約48億3700万円に落ち込み、3期連続で欠損計上を余儀なくされ債務超過に陥っていた。負債額は278億4700万円となる。
D-LIGHTは、2020年に取引先との間で不明朗な取引があったことが噂されるなど、信用不振が高まり2021年7月上旬に事業を停止、同年11月1日に東京地裁へ自己破産を申請していた。負債額は213億円。
D-PROXはD-LIGHTと同様、取引先との間で不明朗な取引があったことが噂されるなど信用不安に陥り、2021年7月上旬に事業を停止。同年11月10日に、東京地裁から破産手続き開始決定を受けていた。負債額は177億円となる。
コロナに限定しない倒産全体では件数が57年ぶりの低水準
負債総額は、4年連続で前年度を下回り、1973年度の9,055億7,000万円に次いで、48年ぶりの低水準だった。負債50億円以上100億円未満は23件(前年度12件)で、中堅規模の倒産が増えた。
なお、コロナ関連に限らない、2021年度の全国の企業倒産全体(負債額1,000万円以上)では、件数が5,980件で、前年度から16.5%減っている。コロナ関連の金融支援策に支えられ1964年度(4,931件)以来、57年ぶりの低い水準にとどまった。負債総額が1兆1,679億7,400万円で同3.3%減だった。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年4月9日公開記事)
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