EV(電気自動車)とガソリン車、どちらが「燃費」(電費)がお得なのだろうか?もし購入を検討するなら、知っておきたい情報だ。1万円でどちらがより遠くまで走行できるか、比較してみよう。
ガソリン車の「燃費」とEVの「電費」
まずガソリン車では「燃料消費率」を示す「燃費」という言葉が使われるが、EVでは「電力消費率」を示す「電費」という言葉が使われる。
燃費はガソリン1L(リットル)あたりで走行できる距離のことで、電費は1kWh(キロワットアワー)あたりで走行できる距離を表す。計算式は以下の通りだ。
燃費(km/L)= 走行距離(km)÷消費燃料量(L)
電費(km/kWh)= 走行距離(km)÷ 消費電力量(kWh)
1万円で走行できる距離を比較してみた
1万円で走行できる距離を比べしたい場合、燃費と電費の情報と、ガソリンの価格と電力の価格の情報があれば、数字を弾き出せる。
ガソリン乗用車の平均燃費は1 リットルあたり22キロメートル(2018年時点、国土交通省)。EVの場合、平均電費は1キロワットアワーあたり6キロメートルほどの車両が多い。
そして実勢価格を考慮し、ガソリン1リットルの価格は165円、電力1kWhの価格を25円として、1万円で走行できる距離を計算してみる。
ガソリン車の場合:22.0km/L ÷ 165円 × 10,000 = 約1,333km EVの場合:6.0km/kWh ÷ 25円 × 10,000 = 約2,400 km
ガソリン車は1万円で約1,333キロ、EVは2,400キロ走行できるという結果が出た。ガソリンと電力の現在の実勢価格を考慮して計算した場合、EVのほうがコスパがいいと言えることが分かった。
ただし、運転の仕方や走行環境にもよるし、ガソリンの価格は電力料金に比べて大きく変動するため、1万円で走行できる距離はその変動によって大きく変わることも頭に入れておきたい。
走行距離とお金の面ではEVに軍配が上がるが……
ちなみに、日本国内におけるEVの販売台数は伸び悩んでいる。2018年の販売台数は2万3,411台、2019年は2万824台、2020年は1万6,239台だ(次世代自動車新興センター)。
EVを買った後、ガソリン車に乗り換える人もいるらしいが、それはEVによってはフル充電で走行できる距離がガソリン車に比べてかなり短いため、使い勝手が悪いからのようだ。
こうした弱点はバッテリーの性能が上がれば解消されるだろうが、あくまで現状はこのような課題がある。
現時点では1万円で走行できる距離ではEVに軍配が上がるが、普及にはこうしたハードルもあることを知っておきたい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年4月11日公開記事)
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