ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、物価上昇という形で私たちの生活に影響を及ぼしています。一部の商品はすでに価格の高騰が始まっていますが、今後ますます値上げされるものとしては、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
まだまだ値上げの終わりが見えない「ガソリン」
原油価格の上昇に伴い2021年より値上がりしていたガソリン価格は、2022年のウクライナ情勢でさらに高騰すると考えられます。
ロシアの原油生産量は世界第3位。経済制裁によりロシア産の原油の輸入がストップすると、世界的に原油が供給不足になってしまいます。
政府がガソリン価格の値上げ対策を打ち出してはいるものの、侵攻が終わらない限り、根本的な値上げを止めることはできないでしょう。
ノルウェーサーモンが幻の魚になるかも「水産物」
ロシアは、日本にとって水産物輸入先第4位の国です。中でもカニは全体の約6割をロシアから輸入しています。
もし経済制裁でロシアから水産物の輸入を停止すれば、水産物の高騰は避けられません。ただし2022年3月時点では、政府はロシア産の水産物の禁輸は見送る方向です。
ロシアは欧州各国の航空会社に対してロシア領空の航空を禁止。これに伴い、ロシアを通過して日本へと運ばれるノルウェーサーモンの調達が難しくなってしまいました。別のルートを経由して輸入すると輸送コストは倍増。そのぶん価格の上昇が予想されます。
日本の麺類がピンチ?「小麦・そば」
日本は小麦の大部分を海外からの輸入に頼っています。輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリア。一見ロシアは関係ないように思われるかもしれませんが、実はロシアは世界最大の小麦輸出国です。
ロシアやウクライナ産の小麦の供給不安が高くなると、アメリカ、カナダ、オーストラリア産の小麦の「奪い合い」が起こることも考えられます。現在、小麦市場は高騰し日本にも大きな影響を及ぼしています。
またロシアは、そばの生産量が世界第1位。ウクライナ情勢でそばの供給量が不足すれば、市場価格への影響は避けられません。
小麦で作られるうどん、ラーメン、パスタやパン、それにそば……。今まで家計の味方だった麺類の大幅値上げも、すぐそこに迫っているかもしれません。
何かと物入りな新年度に直撃する値上げラッシュは、お財布にきびしいもの。家計の面から考えてもロシアのウクライナ侵攻は、決して「対岸の火事」ではないといえそうです。
文・山田千景(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年4月2日公開記事)