日立や資生堂が導入「ジョブ型雇用」は給与が上がりやすい?

2022/04/12 17:00

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日本の企業ではこれまで、年功序列や終身雇用の考え方が一般的だった。しかしここ数年で、業務内容をあらかじめ明確に決めて雇用する「ジョブ型雇用」が注目を集めており、NTTや資生堂 <4911> 、日立製作所 <6501> などの大手企業が導入している。ジョブ型雇用で給与や働き方はどのように変わるのだ

日本の企業ではこれまで、年功序列や終身雇用の考え方が一般的だった。しかしここ数年で、業務内容をあらかじめ明確に決めて雇用する「ジョブ型雇用」が注目を集めており、NTTや資生堂 <4911> 、日立製作所 <6501> などの大手企業が導入している。ジョブ型雇用で給与や働き方はどのように変わるのだろうか?

「ジョブ型雇用」と従来の「メンバーシップ型雇用」の違いは?給与はどう決まる?

これまで一般的だった「メンバーシップ型雇用」は「日本型雇用」とも呼ばれ、企業のメンバーとして社員を採用し、ふさわしい仕事を割り当て、必要に応じて転勤も命じる。解雇は厳しく制限されており、給与は勤続年数や経歴などを総合的に判断して決める。

一方で「ジョブ型雇用」は、業務内容の他に、勤務時間や勤務場所などを明確に決めた上で契約を結ぶ。必要な業務に対して働き手を採用する雇用制度なので、その業務がなくなれば解雇される契約になっていることも多い。

基本的に転勤や別部署への異動はなく、昇格・降格がない場合もある。給与は業務内容や専門性などによって決まる。例えばAI(人工知能)の専門家といった需要が高い職種では、年齢にかかわらず給与が高い傾向にあるという。

ただしNTTでは、業務の専門性などが高くなるほど給与水準を高く設定する一方で、グループ全体としての給与引き下げを提案していることが報じられた。

ジョブ型雇用では、専門的な知識やスキルを生かした仕事ができ、業務内容によって給与が決まるため若年層でも給与が上がりやすい。ただ、メンバーシップ型雇用制度の中で働いてきた中高年層を中心に給与の引き下げにつながるという指摘もあるようだ。

なぜジョブ型雇用は注目されている?

2020年1月に経団連は、従来のメンバーシップ型雇用を見直すべきとの提言を発表。これ以前にもジョブ型雇用を導入している企業はあったが、この提言をきっかけに注目が集まったという。

注目された理由はほかにもある。

コロナ禍でテレワークが普及したことで、これまで以上に業務管理を徹底し、社員を正当に評価する必要性が生じ、ジョブ型雇用のほうが適しているとの声が高まったという。

少子高齢化により働き手が不足する中、さまざまな人材の採用に力を入れる企業も多い。育児や介護をしながら働く人や、ジョブ型雇用が主流である外国からの人材などを採用する場合、ジョブ型雇用のほうが適しているケースもある。

ジョブ型雇用でテレワークがさらに加速?転職者が増える?

ジョブ型雇用が導入されると、今よりさらにテレワークが加速すると言われている。ジョブ型雇用は成果主義の傾向が強く、社員の働きぶりを直接見なくても公平に評価できる制度が整いやすくなるからだ。

ジョブローテーションだけでなく昇格・降格もない場合があり、自分自身でキャリアを形成していくため、ジョブ型雇用で転職を繰り返して給与を高めていく人もいるかもしれない。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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