「パートで社会保険に入る」と聞くと、「扶養から外れる」「手取り額が減る」などのマイナスのイメージが強いかもしれません。しかし、社会保険に加入すれば将来受け取る年金を確実に増やせます。2022年10月から、勤務時間が短いパート・アルバイトも、新たに社会保険（厚生年金・健康保険）に入ることになるかもしれません。

2022年10月からパートの社会保険加入対象が拡大

2022年10月から新たに社会保険に加入するのは、勤め先の従業員が101人以上で、以下の条件にすべて当てはまる場合です。

・１週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上
・2カ月を超える雇用の見込み
・学生ではない

社会保険に入ると保険料の負担は増えますが、メリットがたくさんあります。

厚生年金に入れば、基礎年金に加えて、厚生年金が上乗せされるため、老後の年金を増やせます。

毎月の給与が8万8000円だとすると、毎月負担する厚生年金保険料は8100円ほどになります。しかし、毎月の保険料は払えば払うほど将来の年金はどんどん増えます。

例えば、10年加入すれば、老後の年金を年額5万円ほど増やせます。20年間では年額10万円以上も多くなります。しかも生涯ずっと増額された年金を受け取れます。

毎月の給与が多かったり加入期間が長かったりすれば、さらに年金額を増やせます。

健康保険加入で他の保障も充実

健康保険に入ることで、他の保障が充実する点も見逃せません。

病気やけがで仕事を休んだときは、給与の3分の2相当が受け取れる「傷病手当金」の制度があります。また、出産前後に会社を休み給与がもらえない場合にも、「出産手当金」として給与の3分の2相当が受け取れます。

社会保険に加入すると、このような保障を受けながら老後の収入も確保できます。

もちろん、デメリットとして、配偶者の扶養から外れることや手取り収入が減ってしまうことがありますので、どう働くかを決める必要があるでしょう。

政府の方針もあり、社会保険の加入対象はどんどん広がっており、今後も拡大される予定です。社会保険加入のデメリットだけでなく、むしろメリットに目を向けて、しっかり働くのも選択肢となるでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部

（2022年4月15日公開記事）

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