聞いたことはあるけど意外と違いがわかりにくい「商号」や「屋号」。どちらも名称を表すものですが、2つの内容はまったく異なります。

小売り企業の買収がニュースになると、「商号を変更する」ことや「屋号はしばらく継続する」ことなどが伝えられる場合があります。

「商号」と「屋号」、どう違うか分かりますか？

「商号」は会社法、商法、商業登記法などさまざまな法律で規定されている

「商号」とは、営業をする上で自己を表示するために使う名称のことです。会社の場合は会社名がそのまま商号になりますが、会社以外の「商人」の場合は、氏名その他好きな名称を商号にすることができます。

会社の設立登記には「商号」を登記することが義務付けられていますが、商人の商号登記は任意とされています。

商号には法律上のルールがあります。例えば、商号の中には株式会社、合名会社、合資会社、合同会社などの文字を用いて会社の種類を明確にしなければなりません。また同一所在地に同一名称の商号は登記ができないこととされています。

一方、「屋号」とは、会社名ではなく店名や事務所名などのことです。屋号は個人でも持つことができて、名称は「〇〇税理士事務所」や「〇〇デザインオフィス」など自由に設定できます。屋号は登記する必要がなく、商号と違って法律上の制約もありません。

個人事業主が税務署へ開業届を出す際、「屋号」を記載することができます。屋号は無くても問題ありませんが、決めておくと屋号付きの銀行口座やクレジットカードを作れるようになり、事業とプライベートの仕訳が簡単になります。

また、個人名だけだとその人が行っている事業の種類までは分かりませんが、屋号なら判断しやすいので取引相手にとっても何かと便利なものです。

解答：「商号と屋号」の違いとは……

「商号」とは法務局に登記する会社名のことで、「屋号」とは個人事業主が事業用に使う名称のことです。屋号は登記する必要がありません。

文/編集・dメニューマネー編集部

（2022年4月13日公開記事）

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