企業に勤める多くの人にとって「年収1000万円」は憧れかもしれない。年収1000万円を超える人は日本に約4.5%いる。さらに高年収と言える「年収2000万円」を超える人は、何%くらいの割合だろうか。男女合計における比率と男女別の比率を計算してみた。
男性は0.8%、女性は0.1%にとどまる
日本の給与所得者5244万6000人のうち、年収2000万円を超える人は26万8819人いる。割合にすると約0.5%だ。1000人のうち5人しかいない計算となる。
男女別の人数は以下の通りで、この人数を男女それぞれの総給与所得者数で割ると、年収2000万円を超える人は男性の場合は約0.8%、女性の場合は約0.1%となる。
年収 | 男性 | 女性 | 合計 |
---|---|---|---|
2000万〜2500万円 | 11万2025人 | 1万2222人 | 12万4247人 |
2500万〜 | 13万2918人 | 1万1654人 | 14万4572人 |
年収2000万円だと税金が500万円以上に?
年収2000万円を超える人はごく少数で、れっきとした高所得者であるといえるが、年収2000万円の人は、納税額の高さに悩まされることも多い。日本の所得税は累進課税制度が適用されており、年収が高くなるほど所得税の税率も上がる。
年収2000万円の人の所得税を計算してみよう。
所得税の計算では、年収からさまざまな控除(給与所得控除や社会保険控除)を差し引いた「課税対象の所得金額」に対して税金がかかり、そこからさらに一定金額が差し引かれ、税額が算出される。
課税対象の所得金額 | 税率 | 差し引かれる一定金額 |
---|---|---|
1000〜194万9000円 | 5% | 0円 |
195万〜329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万〜694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万〜899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万〜1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万〜3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円〜 | 45% | 479万6000円 |
年収200万円の人の場合、課税対象の所得金額は大体約1600万円となる(※控除できる金額が他の人より多めの人はもっと課税対象の所得金額が少なくなる)。
その金額に税率33%をかけた後、一定金額(153万6000円)を差し引くと、「所得税額」は「約370万円」ということになる。
このほか「住民税」もかかる。住民税は課税対象の所得金額に対して一律10%で、課税対象の所得金額は約1600万円の場合は約160万円かかる。
つまり、年収2000万円の人は所得税と住民税を合わせ、500万円以上が税金の支払いで消えるイメージだ。
年収2000万円の人も“悲喜こもごも”?
年収が高ければ当然、税金などを差し引いたとしても、手元に残る可処分所得(=手取り収入)は、年収が低めの人よりは多い。
しかし前述の通り、支払っている税金も多い。年収2000万円といえばうらやましく感じるが、実際には“悲喜こもごも”なのだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年4月20日公開記事)
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