老後の生活が不安で、定年後も働こうと考えている人は少なくないだろう。そこで気になるのが、高齢者でも「派遣」で働けるかだ。
派遣労働者に「年齢制限」はない
派遣会社への登録では、「年齢制限」は設けられていない。また年齢制限を設けるのは禁止されているというのが派遣業界における共通認識だ。雇用対策法でも「(事業主は)年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならない」とされており、この考え方は派遣社員にも当てはまる。
60歳以上の派遣社員は、割合としては6%程度と小さいが、存在するようだ(2018年 派遣労働者実態調査)。
高齢者は一般に、身体面では若い人にはかなわないため、何か特別なスキルが必要となる。どのようなスキルを持っているべきだろうか。
スキルがなければ若者にかなわない?
特別なスキルを必要とする業務の中で、派遣労働者の賃金が高いのは、たとえば以下のような業務だ。
業務 | 1日(8時間)の平均賃金 |
---|---|
建築・土木・測量技術者 | 1万9,873円 |
情報処理・通信技術者 | 1万9,779円 |
法務従事者 | 1万8,880円 |
ただし、こうした業務で必要とされるスキルは一朝一夕では身につかない。しかし、特別なスキルを必要としない業務であれば、フィジカルの面で有利な若い登録者で負ける。
もちろん、特別なスキルがないからといって、まったく仕事がないというわけではない。心身が健康で、社会人としてのマナーも身についていれば、派遣社員として働けるチャンスは増える。
たとえば、ガスメーターの検針業務や電話の受付業務、倉庫の管理業務、マンションの管理業務などが考えられる。また派遣登録に加え、各地のシルバー人材センターなどに登録すれば、より仕事を見つけやすくなる。
しかしいずれにしても、高齢者でかつ特別なスキルがない場合は、若い頃よりも仕事にありつきにくい、ということは肝に銘じておきたい。
老後のために今からできることにトライを
高齢者になると仕事にありつくのが難しいことを認識し、若いうちから老後の備えに力を入れよう。無駄使いをやめて節約したり、毎月一定額の貯金をしたり、資産運用でお金を増やしたり……。定年退職する前に、老後のためにできることはたくさんある。早めのトライを。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年4月26日公開記事)
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