消費者金融、いわゆるサラ金(サラリーマン金融)でお金を借りている人は日本で1,000万人を超えている。しかも半分以上は、複数の業者から借りている多重債務状態だ。消費者金融でお金を借りる理由とはどのようなものだろうか。一番多い理由はパチンコなどのギャンブルなのか?
「低収入・収入の減少」での相談が最多
全国の自治体に多重債務について相談した人のうち、借金をしたきっかけで最も多かったのが「低収入・収入の減少」。2位は「商品・サービス購入」、3位は「借金の返済・クレジットカードの利用代金」となっている。
1位 | 低収入・収入の減少 |
---|---|
2位 | 商品・サービス購入 |
3位 | 借金の返済・クレジットカードの利用代金 |
4位 | 事業資金の補てん |
5位 | 保証・借金肩代わり |
6位 | ギャンブルなど |
7位 | 医療費 |
8位 | その他遊興費 |
9位 | 冠婚葬祭 |
ギャンブルがきっかけの人の割合は意外と低く6位。多くの人は収入が減少したことで多重債務につながっているという結果だ。
減少傾向の消費者金融利用者、「18歳成人」で一転増加?
消費者金融でお金を借りている人は1,000万人超と書いたが、ここ10年ほどの期間で見ると、利用者は減少傾向にある。10年前は1,384万人だったが、最新データでは1,027万人にとどまる。
年度 | 人数 |
---|---|
2020年度 | 1027万人 |
2019年度 | 1091万人 |
2018年度 | 1083万人 |
2017年度 | 1070万人 |
2016年度 | 1066万人 |
2015年度 | 1127万人 |
2014年度 | 1153万人 |
2013年度 | 1194万人 |
2012年度 | 1333万人 |
2011年度 | 1384万人 |
人数が減っているのは、貸金業者に対する規制が段階的に厳しくなっていることのほか、過払い金の利息返還請求などが増えたことなどに起因していると考えられている。
しかし、今後は人数が今後増える可能性が出てきている。2022年4月、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたからだ。
借金はよく考えて計画的に
成年年齢が引き下げられたことで、18〜19歳でも親の同意なく消費者金融でお金を借りられるようになる。
18〜19歳に対しては貸し付けを行わない意向を示している業者も少なくないが、2021年に行われた調査では、約4分の1の業者が貸し付ける意向を示している。
借金をすることの怖さを知らないままカードローンなどを利用すると、多重債務に陥るリスクが上がる。もともと学校では、クレジットカードやローンについての授業が行われているが、回数はごく少ないし、授業を受けた学生たちがどこまで理解しているかは分からない。
いずれにしても、借金はしっかり考えてしたほうがいい。投資など明確な目的のもとで借りるならともかく、無計画な生活の結果、生活費が足りなくなったり、ギャンブルなど遊興費目的で借りたりするのはよくない。まずは収入・支出のバランスを保つことが大切だ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
画像・yu_photo / stock.adobe.com(画像はイメージです)
(2022年5月1日公開記事)
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