2022年4月の制度改正で、“働くシニア層”のもらえる年金額が変わっています。これまで65歳以上の厚生年金は一定額でしたが、何がどう変わったのでしょうか。
働いている65歳以上70歳未満の人の厚生年金が毎年増える
2022年4月の改正で「在職定時改定制度」が導入されたことにより、毎年1回年金額が見直されることになりました。これにより働いている間に支払った保険料が、翌年もらえる年金額に上乗せされます。
今までの年金制度では、支払った保険料が受け取る年金に上乗せされるのは会社を辞めた後、または70歳になってからでした。このため65歳以上70歳未満の人は毎月保険料を支払っていても、退職や70歳を迎えるタイミングまで一定額の年金しかもらえなかったのです。
厚生年金が増えるタイミングと金額のモデル
今回の導入された新制度の対象は、65歳以上70歳未満で老齢厚生年金を受給している人です。繰上げ受給している65歳未満の人は対象になりません。
例を見ながら考えてみます(年金の支給額は9月1日を基準日として毎年見直しされます)。
例)標準報酬月額20万円で1年間働いた場合
・基準日 9月1日
・対象期間 前年9月から1年間(当年8月まで)
・反映時期 基準日の翌月(10月)分より
・増額分 1万3,000円(年額)
(参考:厚生労働省Webサイト)
上の例で見ると、標準報酬月額20万円で働いているケースでは、毎年1万3,000円ずつ年金が増えます。65歳から70歳になるまで同条件で働いたら、最大4回増額のタイミングがあります。
元の老齢厚生年金と比べると、1回目の見直しで1万3,000円の上乗せ。2回目で2万6,000円、3回目で3万9,000円、4回目で5万2,000円の上乗せとなります。
今までの制度と比べると、70歳までに合計13万円の年金を早く受け取れるようになります。
文・井手本亜希(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年5月5日公開記事)
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