2022年度、今年度から住民税がかからなくなった世帯に、1世帯あたり10万円が給付されるそうです。ガソリンなど物価の上昇、コロナ禍の長期化などで、生活に困っている世帯を助けようというものです。昨年12月の時点で、既に2021年度の非課税世帯には支給が決まっていましたが、今回決まったのは、今年度新たに非課税になった世帯が対象だそうです。
住民税がかからない非課税世帯には多くの救済制度が用意されていますが、どのような制度があるのでしょうか。また、そもそも住民税がかからない条件とはどのようなものなのでしょうか。
非課税世帯の条件
住民税がかからない世帯を「住民税非課税世帯」といいます。その条件は次のいずれかを満たすことです。
・生活保護を受けている
・未成年者、障がい者、寡婦、ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下(所得が給与所得のみの場合は、給与収入が204万4000円未満)
・前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下
住民税は、「前年の所得」を元に各自治体が計算します。例えば、東京都に住むパート主婦の2021年の収入が100万円のみの場合、所得控除の55万円を差し引き、所得金額が45万円となります。このため住民税はかかりません。
ただし、パート収入が100万円以下であっても、市区町村によっては住民税(均等割)がかかる場合もあります。住民税には「均等割」と「所得割」があります。「所得割」は所得額次第で納税額は異なりますが、「均等割」はすべての納税義務所から均等に徴収する税金です。このため、注意が必要です。
今回、10万円が支給される見込みとなったのは、2022年度に新たに住民税が非課税になった世帯です。具体的には、世帯全員の2021(令和3)年度分の住民税均等割が非課税の世帯、または、2021(令和3)年1月以降の収入が減少し住民税非課税相当の収入となった世帯です。
住民税がかからない世帯の救済制度
住民税がかからない世帯には、今回の特別支給に限らず、さまざまな救済措置があります。
保険料の軽減
前年の所得に応じて介護保険料や国民健康保険料が軽減されます。東京都の非課税世帯では、保険料が最大7割が減額されます。
年金の免除
前年の所得が一定以下の場合に免除が受けられる国民年金保険料の場合、世帯主の年金は全額免除になります。
保育料の軽減
東京都の3~5歳児の幼稚園・認可保育園・認定こども園などは2019年から無料でしたが、非課税世帯は0~2歳児クラスの子供についても月額4.2万円まで無料になります。
高額医療費の軽減
高額医療費の上限額は、年齢や所得によって異なります。住民税がかからない世帯では、69歳未満の場合、同じ医療機関で1か月に支払う限度額は35,400円になります。
この4つの救済制度以外にも、各自治体がさまざまな制度を用意しています。救済制度の申請条件や申請方法は各自治体で異なるので、詳細は市区町村役所などで聞くとよいでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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