会社員・女性(40)、共働き 子ども2人(15歳、12歳)の相談
「イデコの加入を考えていますが、下の子が大学を卒業する10年後から始めても大丈夫でしょうか?」
アドバイス1 経済的余裕があるならなるべく早く加入しておきましょう
子供の教育費がかかる最中は、自分たちの老後資金の準備は後回しにしてしまいがちですが、イデコに拠出できるなら、今から積立を始めておいたほうがいいでしょう。
特に大学の学費は大きな負担ですので、「子どもが独立してから老後資金の積立を始めよう」と考える人も多いでしょう。もちろん、それで充分間に合う場合もありますが、積み立てはなるべく長い期間したほうが、リスクが下げられます。
たとえ積み立てた総額が同じでも、スタートが早いほど、より多くのお金を貯められる可能性があります。
アドバイス2 10年早く始めたほうが毎月の負担も総額の結果にも差が出る
イデコは2022年5月から、原則として65歳になるまで加入できるようになりますが、それでも期限があります。相談者は40歳で、子供が2人とも大学を卒業する10年後には50歳になっています。今始めれば65歳までに25年投資できますが、10年後に始めると15年しか投資できません。
イデコを始める時期が10年違うと、同じ額を投資しても合計金額(積立元金+運用益)には、大きな差が生じます。積立総額は360万円、年利3%で計算した場合のシミュレーションは次のようになります。
開始年齢 | 投資期間 | 毎月の拠出額 | 総額 |
---|---|---|---|
40歳 | 25年 | 1万2000円 | 535万円 |
50歳 | 15年 | 2万円 | 454万円 |
あくまでシミュレーションの結果ですが、積立開始が10年違うと、合計金額に約80万円の差が生じます。積立総額は同じでも、長い期間をかけて積み立てたほうが、再投資による複利効果が大きくなるためです。
さらに、イデコの掛金は全額所得控除されます。今入っておけば、老後資金が多く貯まるだけでなく、税金を減らし家計負担を軽できるのです。
65歳までには家計状況が変わることもあり得ますが、家計が苦しくなった場合には、最低掛金額は月5,000円まで下げることができます。掛金額は年に一度変更できるため、必要に応じて増減し、長く積立を続けていきましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
画像・arc image gallery / stock.adobe.com(画像はイメージです)
(2022年5月7日公開記事)
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