「三國志」のコーエーテクモが株取引で無双中? 339億円を稼ぐ凄腕投資家の正体とは

2022/07/09 07:09

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「三國志」「デッド・オア・アライブ」などのゲームを提供するコーエーテクモホールディングス <3635> 。コーエーテクモゲームスなどを傘下に持つ持株会社で、2022年3月期決算は、経常利益が42%増の345億円と過去最高益を大幅に更新した。驚くことにそのうち141億円が株式売買益なのだ。株式投資で稼ぎまくる

「三國志」「デッド・オア・アライブ」などのゲームを提供するコーエーテクモホールディングス <3635> 。コーエーテクモゲームスなどを傘下に持つ持株会社で、2022年3月期決算は、経常利益が42%増の345億円と過去最高益を大幅に更新した。驚くことにそのうち141億円が株式売買益なのだ。株式投資で稼ぎまくる有名投資家は何者なのか?

歴史シュミレーションゲームがアジアで好調

コーエーテクモは「三國志」「信長の野望」「真・三國無双シリーズ」などの歴史シミュレーションを得意とするコーエーと「デッド・オア・アライブ」など格闘ゲームを得意とするテクモが経営統合して2010年に誕生した持株会社だ。

4月25日に発表した22年3月期決算は、売上が21%増の727億円、経常利益は24%増の486億円だった。ともに過去最高を大幅に更新する好決算だった。

スマホゲーム「三国志 覇道」が国内、アジアで好調。アジアで配信している「三国志・戦略版」も収益増に貢献した。主力のゲーム事業は売上が21%増の688億円、営業利益が41%増の338億円と極めて好調。

歴史シミュレーションはアジア圏で人気。地域別では国内が27%増と伸びているが、アジアは36%増とさらに高い伸びだ。

株式投資が利益を押し上げ、過去7期負けなし

特筆すべきなのは営業外収益として計上される株式などの投資収益だ。22年3月期は141億円を稼ぎ出した。これは「たまたま」なのではない。少なくともWebサイトに公開されている過去7期で負けがない。

年(3月期)投資収益
16年+46億円
17年+64億円
18年+65億円
19年+62億円
20年+47億円
21年+149億円
22年+141億円
(出典:コーエーテクモHD Webサイト)

会社は2023年3月期の業績予想として、売上は6%増の770億円、経常利益は13%減の425億円と減益を見込んでいる。ただ、営業外収益は100億円予想なので、減益になるのは投資収益が141億円から100億円に減ることが主因だ。

投資はすべての襟川恵子会長のトレード

株式トレードをすべて一人でやっているのが襟川恵子会長だ。夫である襟川陽一社長と光栄(現・コーエーテクモゲームス)を1978年に創業。

1983年にリリースした「信長の野望」、1988年リリースの「三國志」がヒットし、1994年に東証2部に上場。2000年に東証1部に指定替え、2009年にテクモと経営統合、10年に持株会社となった。

襟川会長は祖母の影響で高校時代から株式投資を始めたほど投資歴は長い。経営しながら投資を続けている。2020年時点で約1200億円の運用資金を運用している。

会社に株取引専門の部署はなく、すべて一人でトレードしているようだ。一時、NexTone <7094> 、HEROZ <4382> などが「襟川恵子銘柄」として話題になった。

主なトレードは成長株投資と、仕組み債などデリバティブをつかった高利回り商品だという。

さらに「神トレード」なのは、株式相場が急落を迎える前の2022年1月に持株を全部処分したという。成長株の指標だったマザーズ指数は1月高値から2月安値まで約3割下落しまだ安値圏にある。この下落を避けての141億円の利益だ。コーエーテクモのゲームだけでなく、投資についても注目しておきたい。

文/編集・dメニューマネー編集部
画像・©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

(2022年5月9日公開記事)

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