弁護士は稼げない時代?弁護士・検察官・裁判官で最も年収が高いのはどれ?

2022/07/17 07:56

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『リーガル・ハイ』や『東京地検の男』『HERO』など、4月よりスタートした綾瀬はるか主演の月9ドラマ『元彼の遺言状』……、ドラマや漫画などの世界でも活躍している弁護士、裁判官、検事など法曹関係者(法曹三者)。最近では「弁護士も昔ほど食えなくなった」などと言われるがこれは本当のことだろうか。また、法曹三者の年収はどのくら

『リーガル・ハイ』や『東京地検の男』『HERO』など、4月よりスタートした綾瀬はるか主演の月9ドラマ『元彼の遺言状』……、ドラマや漫画などの世界でも活躍している弁護士、裁判官、検事など法曹関係者(法曹三者)。最近では「弁護士も昔ほど食えなくなった」などと言われるがこれは本当のことだろうか。また、法曹三者の年収はどのくらい違うのか?

弁護士──過多により就職難の傾向、事務所に入れなければ収入はほぼない

弁護士の平均年収は、2020年のデータによると平均2,558万円だ(弁護士白書 2021年版)。

ただし、年収には幅がある。自らが弁護士事務所の代表である場合は5,000万円オーバーの人もいるが、年収200万円台の「雇われ弁護士」もいる。地方の弁護士事務所で経営状況があまり良くない場合は、弁護士であってもかなり年収が低くなる。

弁護士の場合、本業である弁護士業務で得る収入の他、個人として受ける講演や企業の顧問料などから得られる所得も少なくない。そのため、平均年収がかなり高めになっている。

ただし、近年は弁護士の数が増え、就職難が起きつつある。弁護士として働き始めることさえできれば、ある程度の年収の高さが期待できる一方、そもそも弁護士事務所などに所属できなければ収入はほぼゼロとなってしまう。

こうした状況が続けば、「弁護士=高年収」のイメージは今後崩れていくかもしれない。

検察官──月収約23万円の検察官もいれば100万超えの検察官もいる

2018年に放送されたテレビドラマ『正義のセ』。主演の吉高由里子が演じたのは新米検察官だ。真っ直ぐな性格で事件に向き合いながら痛快に展開するストーリーは人気を呼んだ。

検察官は、法務省所属の検察庁で働いている国家公務員だ。民間の弁護士の場合は所属する事務所によって給与体系が異なるが、検察官の場合は全員が法律で定められた「俸給表」に従って給与が決まる。

検察官は「検事総長」「検事」「副検事」などに区分されるが、この中で最も人数が多いのが検事で、検事の月収は23万4,900円〜117万5,000円となっている。賞与はその年によって異なるが仮に4ヵ月分とすると、検事の年収は375万8,400円〜1,880万円となる。

裁判官──判事は年収825万6,000円〜

先ほど紹介した『正義のセ』は検察官が主人公のテレビドラマだったが、2021年に放送された『イチケイのカラス』は裁判官に焦点を当てたテレビドラマだ。裁判官というと冷徹なイメージがあるが、人間的な温かみのあるストーリーが話題になった。

裁判官も検察官と同様に国家公務員であり、法律で定められた俸給表によって給与が決まる。

最も一般的な裁判官である「判事」の月収は51万6,000円〜117万5,000円で、仮に賞与を年間4ヵ月分とすると年収は825万6,000円〜1,880万円となる。

法曹三者の年収を比べてみると?

比べてみると、以下の通りとなる。

弁護士 平均2,558万円
検察官(検事の場合) 375万8,400円~1,880万円
裁判官(判事の場合) 825万6,000円~1,880万円

弁護士の年収が最も高いことが分かる。別の視点で見ると、検察官や裁判官は年収の下限が決まっているが、弁護士には下限がない。個人で活動していて仕事がない弁護士の場合は、薄給になるケースもある。

法曹三者の給与は一長一短

弁護士になれば高給取りになれるチャンスも薄給になるリスクもあるが、検察官や裁判官は上限も決まっているが下限も決まっている。法曹三者の給与はそれぞれ、一長一短といえるだろう。

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部

(2022年5月12日公開記事)

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