年金は繰り下げ受給すると年金額が増えますが、その分、年金を受け取れる期間が短くなってしまいます。2022年4月からは75歳まで繰り下げ受給できるようになりましたが、何歳まで繰り下げるのが一番お得なのでしょうか。
平均寿命まで生きる場合、いつまで繰り下げるべきか
繰り下げることで、加算される年金の割合は、5年繰り下げると42%、10年繰り下げると84%増え、増えた年金額は一生続きます。なおどのくらい増えるかは、次の式で分かります。
増額率=0.7%×65歳になった月から繰り下げを申し出る月の前月までの月数
年金をどれだけ増やしても、寿命には限りがあるのでどのくらい繰り下げるといいのか悩むところでしょう。何歳まで生きるかは分からないので、平均寿命を参考に試算してみましょう。
日本の平均寿命は、男性が81歳7ヵ月、女性が88歳8ヵ月です(厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」、2021年7月30日公表)。年金受給額は男女ともに月14万円として計算してみましょう。
男性──2年4ヵ月繰り下げがお得?
男性が平均寿命まで生きるとすれば、81歳7ヵ月までに受け取る年金額の合計は2,786万円です。繰り下げ受給するともらえる年金額は増えますが、年金をもらえる期間は減ります。
最も年金受給額が多くなるのは、2年4ヵ月繰り下げて67歳4ヵ月時点で受給開始した場合の2,863万2240円です。
女性──男性の倍以上繰り下げ?
女性が平均寿命まで生きるとすれば、88歳8ヵ月までに受け取る年金額の合計は3,976万円です。
最も年金受給額が多くなるのは、5年11ヵ月繰り下げて70歳11ヵ月時点で受給開始した場合の4,464万540円です。
平均寿命まで生きるとすれば、男性は67歳4ヵ月、女性は70歳11ヵ月まで年金受給を繰り下げると最もお得ということになります。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年5月16日公開記事)
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