日経平均株価が大きく上がっているのに、自分が持っている銘柄はまるで動かない──。そんな経験はありませんか。たとえ持っている銘柄が日経平均の採用銘柄であっても、そうした事態は起きます。
日経平均株価の採用銘柄の中、値動きが日経平均株価に大きな影響を与える銘柄と、ほとんど影響がない銘柄があります。原因は、日経平均株価の算出方法にあります。
ファーストリテイリングが日経平均を動かす?
日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した225銘柄をもとに算出されますが、採用銘柄の株価を足して225で割った単純な平均ではありません。
すべての銘柄の株価の合計を「除数」といわれる特別な数値で割ったり、「株価換算係数」といわれる特別な数値を掛けて調整されたりした上で、算出されているのです。
日経平均が始まったころは単純な平均でしたが、株式の分割や併合、その他の制度変更の結果、単純な平均では過去からの連続性を保てなくなったため、こうした調整が行われています。
なお採用銘柄は225社のため、単純な平均では、それぞれの銘柄のウェートは0.44%です。
しかし、2022年5月11日のデータでは、ウェートが最も高いのは、ユニクロなどを運営するファーストリテイリング <9983> で7.91%です。2位は東京エレクトロン <8035> の7.36%、3位はソフトバンクグループ <9984> の3.93%です。上位3位だけで日経平均のウェートの19.2%を占めているのです。
ウェートが高いほど日経平均株価への影響は大きいということです。セクター別では技術セクターのウェートが49.64%を占めています。このセクターには東京エレクトロンやソフトバンクグループの他、ファナック <6954> やアドバンテスト <6857> といった企業が含まれています。
ウェートを知れば値動きの特徴が分かる
日経平均株価は、世界の中でも最も流動性が高い指標の一つです。外国人投資家や機関投資家が巨額の資金を運用しているため、ウェートが高い銘柄は、こうした投資家の動向に大きな影響を受けます。
ファーストリテイリングのようにウェートが高い企業や、技術セクターのようにウェートが高いセクターは日経平均株価の影響を受けやすくなります。
株式投資ではこうした特徴を知っておくことが役に立ちます。日経平均株価との連動性が高い銘柄(日経平均が動けば、同じように株価が動いている銘柄)好みなら、ウェートの高い銘柄やセクターを保有すれば良いのです。
逆に、マーケット全体の動きをあまり意識をしたくない、左右されたくないと考えるならウェートの低い銘柄やセクターを選ぶと良いでしょう。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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