節税は、個人事業主だけのものと思われがちです。というのも、会社員は毎月の給料から所得税が源泉徴収され、住民税は「特別徴収」されるからです。ただ会社員でも節税できる手段が複数あります。会社員がどれくらい節税できるか、具体的にシミュレーションします。
節税額のシミュレーション
会社員でも、3つの手段を使えば10万9,000円節税できます。
ここでは年収400万円、独身の会社員を例にして、それぞれいくら節税できるかシミュレーションします。シミュレーションは、復興所得税(所定の所得税率×2.1%)を計算に含みません。
節税策1 ふるさと納税──年間1万600円
自治体に寄付して返礼品を受け取る「ふるさと納税」は、自己負担2,000円を除いた全額が所得から差し引き(寄付金控除)される制度。厳密には税金の前払いですが、自己負担額以上の返礼品がもらえるので、結果として節税と同じ効果が得られます。
会社員はワンストップ特例制度により、5団体以内への寄付なら確定申告なしでも寄付金控除が受けられます。
ふるさと納税で寄付金控除が受けられる金額には上限があり、年収400万円で独身の会社員なら4万2,000円が目安です。自己負担分を除いて4万円が寄付金控除の対象となり、所得税を5%、住民税を10%とすると、控除される金額は6,000円です。実態としては、先に税金を払った分を返還されているだけなので、控除された金額は節税になりません。
返礼品の返戻率は3割以下と定められているため、寄付した金額を4万2,000円とすると、返礼品の価値は1万2,600円です。節税できる金額は、自己負担額2,000円を差し引いた1万600円です。
節税策2 iDeCo──年間4万1,400円
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、毎月一定額を積み立て、積み立てた金額は全額所得から差し引き(控除)されます。
会社員でDC(企業型確定拠出年金)やDB(確定給付型年金)がない人は、毎月2万3,000円が掛金の上限額です。上限額まで積み立てられれば年間27万6,000円の掛金になるため、所得税を5%、住民税を10%とすると、節税できる金額は4万1,400円です。
節税策3 つみたてNISA──年間5万7,000円
つみたてNISAは、長期、分散、積立投資を支援する非課税制度です。毎年40万円まで指定の投資信託などに投資でき、投資で出た利益は20年間非課税となります。
年間40万円積み立てる場合、毎月の積立金額は3万3,333円です。年間利回りを5%と仮定すると、20年後には元本800万円に対して1,370万985円となり、570万985円の利益 です。
つみたてNISAでなければ、投資で出た利益には20%の税金がかかります。利益が570万985円だと税金は114万197円です。この金額がすべて非課税となるため、年間で換算した節税できる金額はおよそ5万7,000円です。
節税して将来に備えよう
年収400万円の会社員でも、ふるさと納税、iDeCo、つみたてNISAを使えば、年間10万円以上節税できる計算です。早めに始めて将来に備えましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年5月17日公開記事)
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