20年ぶりの円安水準の中で、海外投資信託など、為替レートの影響を受ける商品の「為替ヘッジ」について、「あり・なしどちらがいいのか」悩んでいる人も多いでしょう。長期でみると「ヘッジなしのほうがいい」と言われているようですが、それはなぜなのでしょうか。
「ヘッジなし」の投資信託のメリット
外国の株や債券に投資する投信の中には、為替レートの影響を受けないように為替ヘッジをかける「ヘッジあり」と、それ以外の「ヘッジなし」が用意されているものがあります。
「ヘッジあり投信」は為替ヘッジにかかるコスト(ヘッジコスト)がかかり続けます。ヘッジコストは、円と外国通貨の金利差で決まります。一方、「ヘッジなし投信」は、そのヘッジコストがかかりません。
ヘッジなし投資信託のデメリット
ヘッジコストがかからないのが「ヘッジなし投信」のメリットですが、反面、デメリットとして為替レートの影響を受けやすいということがあります。
たとえばドル100円で投資信託を買い、その後1ドル90円になれば基準価額は10%下がることになります。
ただ、反対に1ドル110円になれば、基準価額は10%上がって利益が出るので、メリットとなることもあります。
投信が投資対象としている株や債券の値上がり・値下がりだけでなく、為替レートのことも気にしなければいけないのは、ある意味でデメリットにもなり得るというわけです。
ヘッジの有無でどれくらいの差が出る?
同じ投資信託の、ヘッジあり・なしでどれくらい違いが出るのでしょうか。
純資産総額が日本1位の「アライアンス・バーンスタイン米国成長株毎月決済型」を例に比べてみると、2014年の設定から「ヘッジあり」は約150%のリターン、「ヘッジなし」は約230%のリターンです。「ヘッジなし」のほうが80ポイントもリターンが大きいのです。
長期ではヘッジなし投資信託のほうが利益が出やすい
これは一つの投信のケースであって、すべての投信で「ヘッジなし」のほうが大きなリターンが出るとは言えません。
ただ、ヘッジコストがかからないこともあって、長期的に見ると「ヘッジなし投信」のほうが利益が出やすいすいようです。
今のように日本と海外の金利に差がある状態が続けば、ヘッジコストは今後もかかり続けます。長期投資をするという人は「ヘッジなし投信」への投資を考えてみてはどうでしょうか。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年5月17日公開記事)
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