人気K-POPグループ・BTS(防弾少年団)の一時活動停止のニュースで、所属事務所の韓国HYBE株が暴落した。あくまでも解散ではなく復活する可能性が高いことを考えると今は「買い」なのかもしれない。安室奈美恵の引退ショックのアミューズの例を参考にしてみよう。
HYBEの時価総額2,000億円が消失
BTSは6月14日午後、グループ活動を一時停止するとYouTubeで発信した。あくまでも“引退”ではなく、“グループ活動の停止”であり、個人およびユニットでの活動は続ける。韓国で義務化されている2年間の兵役をメンバーがこなす期間に対応するという見方が主流だ。
「BTSショック」はまたたく間に世界に拡がった。韓国市場に上場している所属事務所HYBE<韓国:352820>の翌15日の株価は25%安。20年11月15日にIPOして以来の上場来安値だ。時価総額が1日で約2,000億円吹き飛んだ。
アナリストはHYBEの利益半減予想
BTS関連の売上はHYBEの営業利益の7割以上を占めている。ある証券会社はBTSメンバーが全員兵役するとなら来期の営業利益は4、390億ウォンから2、000億ウォンに減少するとした。
HYBEの2021年12月期は売上が前年比58%増の1兆2,577億ウォン、営業利益は31%増の1,903億ウォンと過去最高収益だった。2021年11月〜12月に米ロサンゼルスで開催した有観客ライブが好調で収益を押し上げた。
2022年12月期の第1四半期(1〜3月)も、売り上げが60%増の2,849億ウォン、営業利益は63%増の370億ウォンと好調を維持した。2022年3月のソウルで2年半ぶりの有観客ライブを3日開催し収益を押し上げた。
第2四半期(4〜6月)も好決算が期待される。4月には米ラスベガスで4日間のライブを開催。会場のみで約20万人を動員。生中継された最終日は182の国と地域で約40万人が視聴した。
6月10日(日本は6月13日)にはニューアルバム『Proof』がリリースされた。デビューから9年のBTSの歴史を盛り込んだ集大成の3枚組CDだ。すでに200万以上を売り上げている。
HYBE株は買いか?エイベックスの安室ショックを検証
急落したHYBE株は買いなのか?エイベックス <7860> で売り上げ上位を占めていた安室奈美恵さんの引退時の動きを紹介しよう。
安室さんが引退を発表したのは2017年9月20日。1年後の2018年9月に引退するとの発表だった。翌21日のエイベックス株は予想に反して2%高と上げた。11月発売予定のベストアルバム、引退までのツアーやソフトなどの売り上げ増への期待だった。
実際、4年連続減益だった同社の営業利益は2018年3月期に21%増、2019年3月期2%増と安室関連特需だった。株価は2017年12月につけた高値まで16%上昇した。
ただ、音楽ソフトの売上減、コロナ禍での誘客ライブの中止などもあり、エイベックスの営業利益はいまだに”安室特需”を超えていない。株価も2017年12月につけた1,704円の高値を21年7月まで抜けなかった。
嵐やSMAPのジャニーズの例でも、引退まで1年ほどの期間を置いたためソフトやライブの売り上げ増の特需が生まれた。BTSのニューアルバムは間違いなく世界的に大ヒットになるだろう。HYBEの収益が上乗せするかどうかは、グループ活動停止までの期間や停止前のファイナル・ライブがあるかないかでも大きく変わる。BTSの詳細が分かるまでは様子見がよさそうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・Aphitchaya / stock.adobe.com(画像はイメージです)
(2022年6月27日公開記事)
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