実は定年退職する人でも、会社を辞めた後に失業保険を使えることがあります。ただし、退職日が1日違うだけで、失業保険から出る手当が半分以下になるかもしれません。リタイア後の生活資金が減り、ライフプランに影響するおそれがあるので注意が必要です。
「65歳の誕生日の前々日まで」に退職すれば失業手当がもらえる
65歳の誕生日の前々日までに辞めれば失業手当を最大150日間もらえますが、その後に辞めると失業手当はもらえず、高年齢求職者給付金が多くても50日分しか出ません。
月給30万円で勤続40年の人なら、失業手当だと約5,000円/日×150日で75万円、高年齢求職者給付金だと約6,000円/日×50日で30万円です。
退職日が1日違うだけでもらえる金額が大きく変わるので、退職後に再就職活動をして失業保険を使う予定なら、厚労省のサイトなどを使って事前に金額を確認しておきましょう。
65歳以上だと年金と失業手当を両方もらえる
65歳未満の人は年金と失業手当を同時にはもらえませんが、65歳以上の人なら両方もらえます。65歳の誕生日の前々日までに退職すれば失業手当を受給でき、65歳になってからもらい始めれば、年金と失業手当の両方をもらえるのです。
ただし、失業手当をもらえるのは、原則として離職後1年間です。60歳定年で会社を辞めた場合、65歳時点ではすでに1年を経過しており失業手当が出ないので、65歳以降に年金と失業手当の両方をもらうことはできません。
定年前に退職すると退職金が減る場合がある
65歳の誕生日の前々日までに辞めれば、高年齢求職者給付金ではなく失業手当をもらえますが、定年より前に辞めた場合は退職金が大きく減るかもしれません。退職金規定の内容によっては、定年前に辞めると退職金が減る場合があるからです。
定年退職後の生活資金をいかに増やすかを考える場合は、退職金・年金・失業保険を考慮する必要があります。退職する前に勤め先の退職金規定を確認して、日本年金機構のねんきんネットで年金額をチェックしておきましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月1日公開記事)
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