2022年10月から、パートやアルバイトの人も一定の条件を満たせば社会保険に加入しないといけなくなります。これまで社会保険料を払わなくてよかったパートやアルバイトの人たちは手取りが減ってしまいますが、本当にこれは損なのでしょうか。
2022年10月に社会保険の加入の対象となる条件
社会保険加入の対象は段階的に拡大される予定で、2022年の10月からは従業員数が101人以上の会社が対象となります。さらに2024年の10月以降は従業員数が51人以上の会社も対象となります。
新たに社会保険に加入しないといけなくなるのが、対象となる企業に勤めていて学生でない人、また週の勤務時間が20時間以上、雇用期間が2ヵ月以上、月8.8万円以上の賃金、という条件に当てはまる人です。
保険料は給料から天引きに!いくら引かれる?
社会保険に入ると、どれくらいの保険料を払わないといけないのでしょうか。
社会保険と呼ばれる「健康保険」と「厚生年金保険」、それぞれの計算方法と算出例を見ていきます。いずれも標準報酬月額に、保険料率をかけて2で割った数値です。
たとえば協会けんぽ(東京)に加入、パート収入が毎月10万円として計算すると、健康保険料が5,101円、厚生年金保険料が9,516円となり、毎月の給与から天引きされる社会保険料は合計1万4,617円になります。
10万円の給料から1万円以上引かれるのは痛い出費と感じそうです。
健康保険料 | 厚生年金保険料 | |
---|---|---|
標準報酬月額 | 10万4,000円 | |
保険料率 | 9.81(健康保険による) | 18.3%(一律) |
算出式 | 104,000円×9.81%÷ 2 (月の給与×保険料率÷2) | 104,000円×18.3% (月の給与×18.3%÷2) |
毎月、天引きされる額 | 5,101円 | 9,516円 |
たしかに保険料支払いにより手取りが減るのは一見デメリットかもしれませんが、長い目で見ると老後に受け取る年金が増えるためメリットともいえます。
また健康保険の被保険者になるため、万が一のときに使える保障も充実します。他にも社会保険料の自己負担は半額で、残りの半分は会社負担というのもメリットでしょう。
配偶者(今後、社会保険に入ることになる人の夫や妻)が自営業で、これまで自分で国民健康保険と国民年金保険を払っていた人にとっては、負担が減ることにもなります。
社会保険に加入したくない……どうする?
ただ「手取りを減らしたくないから社会保険に加入したくない」という人は、条件に当てはまらないよう調整することで、保険加入を回避できます。
たとえば、勤務時間を週20時間未満にして収入を減らすといったことが考えられます。ただしこれは収入も減ってしまうため、得策とはいえないでしょう。
社会保険に加入するか、働き方を変えて加入しないのかは、しっかり検討する必要がありそうです。
文・佐々木佐奈(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月23日公開記事)
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