「日本人は投資に消極的」「貯金好き」などと言われるが、投資をする人が増えてきた今でも変わらないのだろうか。外国人は投資に対してどのような価値観を持っているのだろうか?
1 欧米では株式などリスク資産の割合が高くなっている
欧米では日本に比べて、家庭の金融資産に占めるリスク資産の割合が高くなっている。リスク資産とは、株式や投資信託などのことだ。
2021年時点で、日本の家庭における株式・投資信託の割合は14.3%だったが、アメリカは51.0%、ユーロエリアは27.8%だった。
国・地域 | 預金・現金 | 株式・投資信託 | 債権・保険 |
---|---|---|---|
日本 | 54.3% | 14.3% | 28.8% |
アメリカ | 13.3% | 51.0% | 33.2% |
ユーロエリア | 34.3% | 27.8% | 35.6% |
日本ではリスク資産の割合が低い一方で、預金・現金の割合はなんと54.3%。貯金好きというのは本当のようだ。
2 アメリカではダブルインカムという考え方が一般的
アメリカでは、ダブルインカムという考え方が一般的だ。
ダブルインカムとは1つの世帯で2つの収入源があることを指すが、ここで意味するのは夫婦共働きのことではない。働いて得られる収入の他に、投資の運用益があることだ。
アメリカには日本のような2階建ての年金制度がなく、小学校〜高校のいずれかで投資について学ぶことが多い。こういった理由で、ダブルインカムの考え方が浸透しているのかもしれない。
3 中国では投資による損失を受け入れられる人が多い
中国では、投資による損失を受け入れられる人が多い傾向にある。
中国人を対象にしたアンケートでは、9割以上が「安定して収益を得られず、損失が出ても受け入れられる」と回答。約2割は「資産運用している間、10%以上の損失を受け入れられる」と回答した(2020年 中国人資産運用趨勢報告)。
一方で日本では、「10万円を投資して、半分の確率で2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損のいずれかが発生するとしたらどうするか?」という質問に対して、77.3%の人が投資しないと回答した(2019年 金融広報中央委員会調べ)。
物価が上がってお金の価値が目減りする時代
日本でも投資を始める人が増えているとはいえ、欧米や中国と比べると、まだまだ投資に消極的といえる。
しかし、今や銀行にお金を預けていてもほとんど増えず、物価が上がるにつれて預けているお金の価値が目減りする可能性もある。日本人は、投資で損をするのが怖くてビビっているのか?
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月24日公開記事)
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