親が元気なうちに相続の話をしておくことは大切ですが、いきなり遺産の話を切り出すのは、なかなか難しいものです。自然に話を切り出すためのコツがあります。
コツ1 自分が抱いている不安を話してみる
まずは率直に、親が亡くなった後の不安を相談するという方法があります。
たとえば「遺産を相続したあとに相続税がちゃんと払えるか心配」「相続のことで兄弟と仲が悪くならないか不安」などと伝え、親と共に解決策を考えるのです。
このとき家の評価額や予想される相続税の額を調べて具体的に数字で示すと、現実味を帯びてより真剣に考えてくれるかもしれません。
話だけだと聞き流されてしまう可能性もあるので、紙に書いて「見える化」するのもよいでしょう。
コツ2 相続トラブルの話題を出す
実際にあった相続トラブルの話を話題として出す方法もあります。身近な人や芸能人の話題を出してみると、興味を持って聞いてくれるかもしれません。ポイントは、まず自分たちの話ではなく、他人の話から入ることで、客観的に始められるというところです。
また遺産相続を題材にしたドラマを一緒に観るのも一つの方法です。たとえばTBS系の人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」や、テレビ朝日系列で放送された「女系家族」などはうってつけでしょう。このほかにも、相続や遺産をめぐるトラブルを題材にした映画やドラマはたくさんあるので、探してみると良いでしょう。
ドラマを観たあとに「あんな風になりたくない」と訴え、相談してみましょう。
コツ3 自分自身の将来の話を切り出す
親の遺産の話ではなく、あくまで子供である自分の将来について話すという方法です。自分の子供(つまり孫)の進学や、自分の転職・退職後のプランなどの人生設計について持ち出すのです。いくつになっても親にとっても子供は子供。相続の話は親本人の人生の終方の話ではありますが、子供にとっても大きく影響します。そこに思いいたれば、前向きに話題にしてくれるかもしれません。
たとえば「退職をきっかけに今後の人生について見直したいので、相続のことも含めて話し合いたい」など、ストレートに話してみてもいいでしょう。
この際、人生の終末について記す「エンディングノート」を活用するのもよいでしょう。自分のエンディングノートを親に見せ、「自分のこれからを考えるために作成した」と話したうえで、親にもノート作成をすすめます。
エンディングノートのメリットは、相続がスムーズになるだけではありません。親がこれからの人生をどう過ごしたいのかを考えるきっかけにもなります。
相続について話すのは難しいものですが、切り出し方を工夫して一度しっかり話し合ってみてはいかがでしょうか。
文・山田千景(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月26日公開記事)
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