給料の「前払い」は「前借り」よりも損?ファミマが導入の「給与前払い」の仕組み

2022/08/02 07:00

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8月からファミリーマートが給料の前払い制度を導入することを発表しました。給料が前払いされれば冠婚葬祭などの急な出費があってもお金の心配が少なくなります。ただ、前払い制度は便利な一方でデメリットもあるので、使い方を間違うと後で困るかもしれません。 まだまだ給料前払い制度は一般的ではありませんが、ファミリーマートという大企

8月からファミリーマートが給料の前払い制度を導入することを発表しました。給料が前払いされれば冠婚葬祭などの急な出費があってもお金の心配が少なくなります。ただ、前払い制度は便利な一方でデメリットもあるので、使い方を間違うと後で困るかもしれません。

まだまだ給料前払い制度は一般的ではありませんが、ファミリーマートという大企業が導入したことで、今後、当たり前の制度になるかもしれません。仕組みを正しく理解しておく必要があります。

前借りは借金になるの?前払いは合法で前借りは違法?

前払い制度では、働いた分を給料日より前に受け取れるので、既に働いて給料としてもらう権利がある以上、借金ではありません。

前払いと前借りは混同されがちですが、前借りは、「お金を借りてその後に働いて返す」ので借金です。既に働いた分をもらう前払いとは異なります。

借金と給料の相殺は労働基準法で禁止されているので、先にお金を借りて後で給料と相殺する前借りは、基本的には法律違反です。

前払いにすると一般的に手数料がかかって手取りが減る

前払いは借金ではないので、銀行からの借入れのような利息は発生しませんが、一般的に利用手数料がかかり、その分だけ手取りが減ります。仮に手数料が前払額の5%なら、20万円を前払いすると手数料は1万円です。19万円しか受け取れません。

急にお金が必要になったとき、手取りを減らしてでも前払いにすべきか、よく考えることが大切です。定額や定率など、手数料の計算方法は会社ごとに違うので、いくら手取りが減るのかよく確認しましょう。

前払いにした分だけ給料日にもらえる額が減る

前払いで受け取れば本来の給料日の受取額が減るので、早く受け取って早く使うと、後で生活に困ることがあります。「投資やギャンブルで損失が出たから、前払い制度を使って穴埋めしよう」などと、安易な使い方をすべきではありません。

給料は給料日にもらって計画的に使うほうがよいので、前払い制度はあくまで困ったときの臨時の手段と考えましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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