不動産投資でカギを握る金融機関からのローンには「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。それぞれメリット、デメリットがあるので、どちらがいいということはありませんが、今後の景気動向や金融政策などで金利が大きく変化する可能性があるので、十分な知識を持っておくことは大切です。
利子・金利とは
お金を借りると、「利子」を支払わなければいけません。この利子の元金に対する割合(%)が金利です。
銀行に100万円を預けて、1年後に100万に対して利息が500円付いていたら、金利(年利)は0.05%です。また、カードローンで1万円を借りて、1年後に1,000円の利息を付けて返済したら、金利(年利)10%ということです。
金利の差はわずかでも返済額に大きな影響が生まれる
不動産投資では金利が大きな影響を及ぼします。アパートやマンションを購入資金は大半がローンで、不動産は高額ですから、ローン金額も高くなり、返済期間も長くなります。そのため、わずかな金利差で返済総額に大きな差が生まれるのです。
例えば、2,000万円のマンションを35年ローンで購入したとき、金利が2%(元利均等、固定金利)だと、総返済額は約2,782万(月々6万6,000)円ですが、金利3%だと約3,232万(約7万7,000)円。1ポイントの差は約450万円にもなります。
固定金利のメリット・デメリット
まず、「固定金利」はローンを借り入れたときの金利が完済するまで変動しません。
固定のメリット 返済計画がたてやすい
もし、借入後に金融機関の金利が上昇しても、契約時の金利がそのまま維持されるので、金利上昇の影響を受けません。また、ローンの返済額と金利分が事前に分かるので、確実な返済計画がたてやすくなります。
固定のデメリット 変動より金利が高くなりがち
固定金利のデメリットは、変動金利と比較して金利水準が高くなることです。固定金利の目安は、変動金利の1.5倍前後とされています。また、返済期間が長くなるほど、金利は高くなる傾向にあり、総返済額は増えます。
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変動金利のメリット・デメリット
一方、「変動金利」は2種類あります。返済途中で定期的に金利が変動する「変動金利型」と、一定期間だけ固定で、その後、変動金利になる「固定金利期間選択型」です。この場合、固定の期間は3・5・10年などが一般的です。
変動するといっても、いきなり大幅に金利が高くなるようなことはありません。ローンの金利は5年に1度見直されますが、見直しには「125%ルール」という決まりがあって、見直し後の返済額は以前の返済額の1.25倍を超えない範囲とされているからです。
また、金利が上がっても、期間中は返済額の中の金利分が増えるだけで、毎月の返済額そのものに変更はありません。
変動のメリット 固定より金利が低くなりがち
なお、変動金利のメリットは、契約時の金利が固定金利よりも低くなることです。現在のような超低金利が継続している状態ですと、利払い総額は固定金利よりも安くなる可能性が高く、もし将来、金利がさらに低下したら、返済総額は減少します。
変動のデメリット 返済総額が高くなることがある
一方のデメリットは、金利が上昇した場合、固定金利でローンを組んだ場合よりも、返済総額が多くなる可能性があることです。また、将来の返済総額が確定しないので、返済計画が立てにくいかもしれません。
計画性を持って決めよう 途中で借り換えの検討も
日本では長く低金利が続いてきました。新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞、景気減速を防ぐために、この状況が長期化する可能性は高いと考えられます。当面は、金利の低い「変動金利」を選択するほうが有利と言えそうです。
ローンの返済は十数年以上続きます。将来の金利変動を正確に予測できる人はいませんが、ローンは借り換えできるので、金利変動リスクを低く抑えることもできます。経済状況をしっかりと把握しながら、常に有利な金利が選択できるような準備をしておきましょう。
文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
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