不動産投資では、自己資金で支払う頭金を用意して、残りを金融機関から借りるパターンがほとんどですが、頭金はどれくらい用意すればいいのでしょうか。
頭金=「物件価格」―「ローン」
頭金とは、物件価格からローン借入額を引いた金額です。
例えば、2,000万円のワンルームの購入で融資額が1,500万円だったら、頭金500万円を自己資金で用意しているはずです。通常、頭金として用意できる資金は分かっているはずですから、足りない分をどうやって金融機関で借りるかということを不動産投資家は考えます。
不動産投資ローンでいくら引き出せるかは、1)物件の収益性、2)担保価値、3)借主の年齢、職業、勤務先、収入といった「属性」で変わります。頭金が多いほど、ローンの金額は減らせるので、毎月の返済額と利息は少なくて済みます。
頭金のメリット ローン審査が通りやすくなる
頭金を用意することの最大のメリットは、ローンの審査が通りやすくなることです。お金を貸す金融機関にしてみれば、頭金があれば、ローンで貸し出す金額は少なくて済みますから、審査を通しやすくなるのです。頭金があれば、投資家が計画性を持っている、収入からきちんと積立できる堅実性を持っていると判断できるからです。
頭金のデメリット 貯めるのに時間がかかる
一方、頭金を用意したり、増やしたりするには、時間がかかるというデメリットがあります。頭金が用意できていないために、優良物件を逃してしまう可能性があります。いい不動産物件は”早い者勝ち”だからです。頭金が十分でないのに、不動産を始めようとすると、物件のグレードを落としたり、エリアを変えたりしなければなりません。
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頭金ありとなしの違いをシミュレーション
頭金ありとなしで同じ不動産を購入した場合の月々の返済額と総返済額を比較してみましょう。
物件価格2,400万円のワンルームマンションを、返済期間27年、金利3%の元金均等返済で購入する場合に、頭金を3割(720万円)の場合とゼロの場合を比較すると以下のようになります。
ケース1 頭金3割の場合
返済月額:9万4,000円
返済総額:2,363万円
利息総額:683万円
ケース2 頭金ゼロの場合(フルローン)
返済月額:13万5,000円
返済総額:3,375万円
利息総額:975万円
返済総額を比べると、3375万円-2463万円=292万円ですから、頭金で3割を支払うと、返済総額は292万円少なくて済むのです。
厳しい審査をパスするために
最近、銀行の融資審査は厳しくなっています。スルガ銀行のシェアハウスへの不正融資問題をきっかけに金融庁が金融機関の引き締めを図ったからで、頭金なしのフルローンはなかなか許可が降りなくなったと言われています。
そんな状況で、少ない頭金で不動産投資を始めるためにはどうすればよいでしょうか。
不動産投資ローンの審査で重要視されているのが、物件の「収益性と担保価値」です。もし返済が滞り、借主から融資金が回収の見込みがなくなった場合は、物件を競売にかけ、資金回収することになるからです。頭金を抑えて、レバレッジの効いた投資効率の高い不動産投資をするためには、良い物件を見つける必要があります。
文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年5月9日公開記事)