株価が10倍になるお宝銘柄「テンバガー」 特徴と見つけ方5つのポイント

2021/09/19 11:00

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「テンバガーを発掘してみたい」──。株式投資が好きな人のなかには、そう思っている人もいるのではないでしょうか。 株式市場では、株価が10倍以上に成長した銘柄を「テンバガー」と呼んでいます。バガーは野球用語で「塁打」を意味します。1試合で10塁打(テンバガー)を記録するくらいの勢いがある銘柄というわけです。 今回は、そん

「テンバガーを発掘してみたい」──。株式投資が好きな人のなかには、そう思っている人もいるのではないでしょうか。

株式市場では、株価が10倍以上に成長した銘柄を「テンバガー」と呼んでいます。バガーは野球用語で「塁打」を意味します。1試合で10塁打(テンバガー)を記録するくらいの勢いがある銘柄というわけです。

今回は、そんなテンバガー(10倍株)の特徴と見つけ方について考察していきます。

3種類のテンバガー

まず、テンバガーには大きく分けて3種類があることを抑えておきましょう。

種類1……「需給」で一時的にテンバガー化する銘柄

基本的に銘柄の実力は関係なく、需給によって一時的に大きく上昇するパターンです。

記憶に新しいところですと、米国のゲームストップ株が挙げられるでしょう。2020年末は20ドルを割っていた株価は、約1ヵ月で約350ドルまで上昇しました。20倍近い上昇です。

「仕手株」とも呼ばれ、短期間で大きく上昇し、短期間で元の水準に戻る(大きく下落する)傾向が強いです。腕に覚えがある投資家以外は、投資しないほうが無難でしょう。

種類2……「業績期待」で一時的にテンバガー化する銘柄

銘柄にポジティブなニュースがあったり、ゲームチェンジが起こったりして、株価が急上昇するパターンです(ゲームチェンジとはビジネスの枠組みや仕組みがガラリと変わること)。

例えば、2012年から2013年にかけて、アプリゲームのパズドラ(パズル&ドラゴンズ)が流行した際に、配信元であるガンホー <3765> が猛烈に上昇しました。2012年夏は200円前後で推移していた株価は、2013年5月末には1万3,000円まで上昇しました。1年弱で約65倍です。

ガンホーと同時期に、バイオベンチャーのタカラバイオ <4974> も10 倍弱になっています。山中伸弥氏が2012年に人工多能性幹細胞(iPS細胞)でノーベル医学・生理学賞を受賞したことをきっかけに、iPS細胞関連銘柄として注目され、業績期待が高まったためです。

また、2012年前後から世界的に「3Dプリンタ」が注目を集めるようになりました。3Dプリンタを製造している米国のスリーディー・システムズという会社は、2011年末に5ドル前後だった株価が、2014年1月には90ドル以上になっています。約2年で20倍近い上昇です。

種類1(需給)と種類2(業績期待)の境目は曖昧とも言えます。ポジティブなニュースがあったり、ゲームチェンジが起こったりすることで特定の銘柄に注目が集まり、それらの事実を無視した投機マネーによって買い上げられてしまうケースがあるためです。

どちらも原則として一時的なブームであり、ブームが終わったら急落し、その後はなかなか最高値を更新できません。

種類3……「業績が評価」されて、テンバガー化する銘柄

業績が評価されて、じわじわと最高値を更新していき、時間をかけてテンバガー化するパターンです。

業績の裏付けが取れるまでに一定の時間を要しますので、種類1や種類2のようなスピード感では上昇しませんが、業績の裏付けがあるので、急落するリスクも限定的です。おそらく多くの人は、このパターンを探したいのではないでしょうか。

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テンバガーの特徴と見つけ方 5つのポイント

それでは、種類3のような、業績が評価されたテンバガーをどのように探せば良いのでしょうか。ここからは、そのようなテンバガーの特徴と見つけ方を紹介していきます。

(1)業績が右肩上がり
(2)時価総額が小さい(数百億円以下など)
(3)創業社長が率いている
(4)上場して日が浅い(IPOから10年以内など)
(5)長期目線を持つ(2倍や3倍で満足して売却しない)

(1)は大前提と言えるでしょう。四半期ごとの決算内容を見て、成長が鈍化していないか確認することが重要です。また、時価総額が小さい銘柄であれば、時価総額が大きい銘柄に比べて、業績の向上が株価に与えるインパクトが相対的に大きいと言えます。

創業社長は自身の資産の多くが自社株ですので、投資家と利害がより一致します。また、サラリーマン社長と違って任期の縛りがないため、長期目線の経営ができたり、思い切った決断ができたりします。

逆説的ですが、上記のような銘柄は、上場して日が浅いことが多いです。具体的には、IPOから10年以内の銘柄を候補にすると良いでしょう。

(5)も重要です。保有銘柄が大きく上昇すると、売却して利益を確定したくなるものですが、「健全なテンバガー」になるには、早くても数年、場合によっては10年というタイムスパンを持つことが重要です。

ここからの10年は難しい

この10年間を振り返ると、日経平均株価は約3倍になっています。指数が3倍になっているのですから、10年で10倍になる銘柄が多かったことは想像に難くありません。

実際に日本を代表する大型株がいくつもこの10年でテンバガーを達成しています。たとえば日本電産 <6594> 、ソニー <6758> 、キーエンス <6861> 、ソフトバンクグループ <9984> などです。

しかし、世界中の株価が歴史的高値にあることを考えると、ここからの10年は、過去10年のような「恵まれた相場」にはならないかもしれません。それだけに、これからテンバガーになる銘柄には、大きな価値があると言えるでしょう。

文・菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
画像・taa22 / stock.adobe.com

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