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景気が悪いのに株価はバブル後高値、なぜ? 日経平均、次の節目は「3万3344円」

2023/06/07 07:00

日経平均株価は1990年7月以来33年ぶりの高値を付けた。33年前は日本史上最大級のバブル相場だったが、今回はインフレ下で節約志向が高まり、好況感は伝わってこない。重要な節目となる3万3344円を抜ければ過去最高値の更新期待も高まる。高値更新はどこまで続くのかだろうか? 日本企業の変化を期待した外国人投資家の日本株買い

日経平均株価は1990年7月以来33年ぶりの高値を付けた。33年前は日本史上最大級のバブル相場だったが、今回はインフレ下で節約志向が高まり、好況感は伝わってこない。重要な節目となる3万3344円を抜ければ過去最高値の更新期待も高まる。高値更新はどこまで続くのかだろうか?

日本企業の変化を期待した外国人投資家の日本株買い

日経平均は6月2日の終値で3万1524円の高値をつけ、5日終値は3万2217円で上値を追う展開となった。

過去に日経平均が年間2割以上の上昇を見せたのは安倍前首相が金融緩和と円安と経済対策で日本を活性化しようとしたアベノミクス相場の2013年以来である。アベノミクス相場時と同様に、日本株の割安さと日本の変化に期待した海外投資家が日本株を買っている。

日本はゼロ金利でインフレ率は欧米に比べると低く、円安効果もあり業績は増益をキープ、金融システム不安もない。投資環境は欧米より日本が優れており、PBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)等の指標も割安だ。

日本企業の割安感を修正するために、東証がPBR1倍割れ企業に対し、経営改善を求めた。企業は業績改善プランや自社株買いなど発表し株価は上昇しはじめた。海外投資家は変化を期待している。

多くの証券会社が日経平均を上方修正

野村證券投資情報部は、「1989~90年当時と比べ、現在のBPSは当時の3倍強に達し、逆にPBRは3分の1程度」「年平均8%~10%程度の利益成長率を保つことができれば、日経平均株価は数年内に47,000~51,000円程度に達すると試算」とした。

みずほ証券のストラテジスト菊地正俊氏は、「5月第3週に外国人投資家は現物で+7,477億円と8週連続で買い越し、先物を含めたベースでも+1.3兆円と7週連続の買い越し」「2023年末予想を3万→3万2000円、2023年度末予想を3万1000円→3万3000円へ引き上げる」とした。

SMBC日興証券の投資情報部は「目先は急上昇した反動もあり、上値の重さが意識される局面か」としながらも6月の日経平均のレンジを2万8000〜3万2000円。6月末の予想を3万円」とした。

三井住友DSアセットマネジメントのチーフマクロストラテジスト吉川雅幸氏は「低PBR是正要請も手伝い、日経平均は来年1〜3月に3万8000円まで上昇する」とするなど、相場の見通しの上方修正が相次いでいる。

3万円のボックス圏を上振れするか 次の節目は3万3344円

世界の主要国は、コロナ後での景気後退を防ぐため、過去最大級の金融緩和と経済対策を打ち出した。その結果、欧米主要市場は不景気ながらも株価は過去最高値を更新した。

日本も同様の動きではあったが、2021年2月と9月にバブル崩壊後の高値となる3万700円台をつけたがその節目を抜けなかった。今回はその節目をあっさり抜きボックス圏を抜けた。

次に重視されている節目は1990年6月高値の3万3344円である。1989年12月の過去最高値3万8957円を付けた後、株価は1990年4月5日の2万7241円で一番底を付ける。反発狙いの買いで3万3344円まで戻り高値をつけたが、ここを抜けずに2番底への大きな下落相場に転じた。

ここを抜ければ、過去最高値まで大きな節目はない。

文/編集・dメニューマネー編集部

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