なぜかトヨタ「マークII」がロシアで爆売れ!……チェイサー、クレスタとの「三兄弟」が若者に人気

2021/12/22 17:30

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トヨタのマークIIといえば1960年代に誕生し、2004年まで製造された日本を代表する自家用車の一つ。そのマークIIはチェイサー、クレスタとともに「マークII三兄弟」と呼ばれ、特に1980年代に売れに売れた。そのマークII三兄弟が、いまなぜかロシアの若い世代に大人気だという。 ロシアの乗用車の2割以上が日本車 ロシアは

トヨタのマークIIといえば1960年代に誕生し、2004年まで製造された日本を代表する自家用車の一つ。そのマークIIはチェイサー、クレスタとともに「マークII三兄弟」と呼ばれ、特に1980年代に売れに売れた。そのマークII三兄弟が、いまなぜかロシアの若い世代に大人気だという。

ロシアの乗用車の2割以上が日本車

ロシアは左ハンドルの国だが、右ハンドルの日本車も非常に人気が高い。2019年のデータによると、乗用車登録数(4410万台)の2割以上が日本車だった。国内シェアは国産ブランド(約4割)に次いで2位というから驚きだ。

国産車では、日本にも輸入されているアフトヴァズ(AftoVAZ)の小型クロスカントリー「ラーダ・ニーヴァ(LADA NIVA)4×4」が有名だが、1977年以来モデルチェンジされていない(*2024年にモデルチェンジ予定)。耐久性や燃費の良さ、品質の高さ、手頃な価格、ブランドバリューなどを理由に、日本車が好まれるのも不思議ではないだろう。

日本のブランドの中で最も人気があるのはトヨタ(316万台)で、登録数は日産の約1.7倍、三菱の約3倍。特にトヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」など、厳しい寒さにも耐久性の高いクロスカントリーの人気が高い。

「マークII三兄弟」とは?

そんな中、ロシアの若い世代を惹きつけている「トヨタマークII三兄弟」とは、どのような車なのか。「マークII三兄弟」という名称は、全3シリーズが出揃った80年代以降に生まれた。

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バブル期のハイソカーブームの代表格「マークII」

ミドルクラスの初代T60/70型(1968~1974年)から9代目X110型(2000~2004年)まで製造・販売されたDセグメントのハイソカー(高級乗用車)。フォーマルな「クラウン」と管理職クラス向けセダン「コロナ」の中間層がターゲットだった。後継車種は「マークX」。

日本でも価格上昇の予感?「チェイサー」

初代X30/40型(1977~1980年)~6代目X100型(1996~2001年)。若い世代をターゲットに、日産「スカイライン」などの対抗馬として登場したスポーツセダン。ターボを搭載した「ツアラーV」は現在も人気が高く、日本においても中古相場が高騰する可能性があるという。

若い世代に圧倒的な人気「クレスタ」

初代X50/60型(1980~1984年)から5代目X100系型(1996~2001年)。「ビスタ店(過去に存在したトヨタの販売チャンネル)向けの最高級車」として登場した中型ハイソカー。三兄弟の中で最も高級なイメージで、バブル期には若い世代に圧倒的な人気を誇った。後継モデルは「ヴェロッサ」。

ドリフトに最適?走り屋にとっての「マークII三兄弟」の魅力

海外メディアなどを見ると、人気の秘密は、どうやらトヨタマークII三兄弟が“ドリフト走行に適したモデル”として評価されている点にある。ドリフトとは、意図的にタイヤを横滑りさせながら走行させるテクニックで、近年はモータースポーツとして世界中で公式の協議会が開催されている。

ロシアでもドリフト走行は人気の高いことから、トヨタマークII三兄弟が「ドリフト競技の発祥地と言われる日本で生まれた、ドリフト走行に適した車」として、注目されているというわけだ。

日本では買い手がつかないような状態の車や改造車でも、ロシアでは需要が高いという。ロシアの中古車サイトを見てみると、日本では廃車レベルのマークIIが堂々と売られている。たとえば、走行距離約33万kmの1995年型2.4TDが1,557ユーロ(約20.7万円)など、いずれもフロントライトやボディが大きく破損していたり、座席シートが擦り切れていたりと非常に状態が悪いものの販売されている。

日本においてもマークII三兄弟の在庫は年々減っていることも、海外での希少価値が上がっている理由の一つだろう。近年の日産「スカイラインGT-R」のように、世界的な価格高騰から入手困難に陥る事態にはなっていないが、「マークII三兄弟」人気はこれからさらに高まる可能性大と言えそうだ。

文・アレン琴子(オランダ在住のフリーライター)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
画像・art_zzz / stock.adobe.com

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