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教育資金を「保険」で貯める方法──学資保険でなくていい?【連載・第5回】

2023/06/08 18:00

教育資金というと「学資保険」を思い浮べる人が多いでしょうが、学資保険以外の保険でも、教育資金を貯められます。教育資金の準備に向いた保険とはどんなものなのでしょうか。学資保険とあわせて検討してみましょう。 学資保険は教育資金の積立に特化した保険 学資保険は、子供の教育資金を積み立てるための貯蓄型の保険で、原則として親が契

教育資金というと「学資保険」を思い浮べる人が多いでしょうが、学資保険以外の保険でも、教育資金を貯められます。教育資金の準備に向いた保険とはどんなものなのでしょうか。学資保険とあわせて検討してみましょう。

学資保険は教育資金の積立に特化した保険

学資保険は、子供の教育資金を積み立てるための貯蓄型の保険で、原則として親が契約者となり、子供の入学や進学に合わせて教育資金・満期保険金が受け取れるよう契約します。

満期になる前に親が死亡や高度障害状態になった時は、その後の保険料が免除され、予定通りの金額が満額受け取れます。

学資保険は、教育資金を貯める手段として広く知られており、大学などへの進学費用をどう準備しているかを聞いた調査では、銀行預金についで多く、ソニー生命の調査では、高校生以下の子供の親748人中42.1%が学資保険に入っているそうです(複数回答、銀行預金は60.6%。2022年調査)。

ただし、最近は金利が下がっているため、返戻率(利回り)はかつてほど良くはなく、学資保険の加入率も下がっているといいます。

学資保険に加入する代わりに、他の保険や他の方法で教育資金を貯める家庭が増えていると見られます。

「低解約返戻金型終身保険」は保険料が低く抑えられる

学資保険以外で検討できそうなのが「低解約返戻金型終身保険」で、これは保険料を払い込んでいる間は解約返戻金が低いかわりに、保険料が割安な保険です。

払込期間が終わった後に解約すれば、支払った保険料の総額よりも多くのお金を受け取れるので、終える時期を子供が進学にあわせれば、解約返戻金を進学費用として使えます。

「個人年金保険」は年金を積み立てるための保険だが……

次に「個人年金保険」は、生命保険の中でも貯蓄性が高い保険で、本来は年金の積立に特化した保険ですが、使い方を工夫すると、教育資金の準備にも活用できます。

たとえば、受取開始時期を子供の進学に合わせれば、年金や解約返戻金を進学費用、教育資金として使えます。

「外貨建て終身保険」は外貨で運用されるので受け取れる金額が計算しづらいが……

最後に「外貨建て終身保険」は、支払った保険料が外貨建てで運用される終身保険ですが、保険料の払い込みが終わると、年金に移行できる商品もあるので、これを教育資金にあてられます。

また、解約返戻金が一番多くなる時期に途中解約し、教育資金にする方法もあります。死亡保険金や解約返戻金は、外貨から日本円に交換して受け取ります。

外貨建て終身保険は、保険料が外貨建てで運用されるため、円安の今は運用成績が良い傾向にあり、相場によっては、解約のタイミングで多くの解約返戻金が受け取れる可能性があります。

しかし、逆に相場が悪く受け取れる円が少なくなる可能性もあることを頭に入れておきましょう。

なお、教育資金を貯める方法は保険だけではなく、定期預金、勤務先の財形貯蓄、NISA個人向け国債などさまざまな方法があります。どの方法で備えるか夫婦で早めに相談しましょう。

文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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