病気や介護でまとまったお金が必要になり、生命保険を解約する人もいるが、保険があるなら解約ではなく“買い取って”もらう方法もある。病状が重いほど買取額は高くなるというが、最近注目されるようになったため、まだあまり知られていない。
保険の買取りは解約と何が違う?
保険は買取りでも解約でも、どちらもお金が戻ってくるが、違いはその額。解約では、契約者が病気や介護状態でもお金(返戻金)は同じだが、買取りは死亡するリスクの高いと、戻ってくる額が高くなる。
実際の買取り例として、大腸がん(ステージ4)の40代女性、保険金15万ドル(約2,095万円)の外貨建て保険に加入していた人のケースを見てみよう。
この女性の契約は、解約返戻金は1万8,075ドル(約252万円)だったが、買い取ってもらったところ、6万6,900ドル(約934万円)と、解約の約3.7倍の額を受け取れたという。
買取り額は保険内容によるが、このように解約より多くのお金を手にできる場合があるのだ。
保険の買取りはどんな人に向いている?
保険を買い取ってもらえるのは、がんや病気にかかっていたり、介護を受けたりしている人。逆に、病気にかかっていない場合などは買い取ってもらえない。
買い取り額は解約返戻金より高く、死亡保険金より低い価格となる。解約返戻金より高いのは、返戻金のほうが高い場合は買取が成立しないからだ。
すぐに治療費や生活費としてまとまったお金がほしい、保険料の負担が重くて解約したい人にはありがたい仕組みだ。
保険の買い取ってもらう時の注意点
注意点は、当然ながら家族に残せるお金が減ってしまうことだ。死亡保険をやめれば、死亡保険金は入ってこない。家族への保障を残すには、別の手立てが必要だ。
買い取ってもらえない保険もあるので注意したい。対象となる保険は、がんなどの病気や介護による治療を受けている人の「死亡保険」に限られており、医療保険やがん保険は買い取ってもらえないので自分の保険内容を確かめてみよう。
このサービスは日本では、ライフシオンやリスク・マネジメント研究所などが買取りを行っている。ライフシオンは元金融庁に勤めていた元官僚が昨年から始めたもので、まだあまり知られていないが、今後広がる可能性はありそうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
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