債券に投資する際、債券ファンド(投資信託)から選ぼうとする人は多いでしょうが、公募されている債券投信は1400本近くあり、どれがいいのか迷うところです。そこで、まず過去1年で資金の流入が多い、つまりは投資家に支持されているファンドを確かめてみましょう(基準価額などのデータは6月9日現在)。
円建て債券で手堅い「国内債券型」
国内の国債や社債だけで運用する「国内債券型」は為替による変動もないことから、なるべくリスクをとらず、資金を減らしたくない人に選ばれています。
国内債券型で資金が多く流入しているのは、明治安田アセットマネジメントの「明治安田日本債券ファンド」です。直近の純資産総額は332億円で、過去1年で67億円と約2割に相当する資金が流入しています。
実質的な運用の主体となるマザーファンドでは、利付国債や社債などの国内債券に投資しています。保有期間に対してかかる信託報酬は、年率0.55%です。
基準価額は過去1年でマイナス3.49%となっていますが、過去6カ月では、1.43%上昇しています(2000年1月設定)。
海外債券型は、高利回り狙いの投資に向いている
多少リスクを取っても高めの利回りを狙いたい人は、海外債券で運用するファンドも選択肢となります。
注目度が高いのが、米国の国債や社債などに投資するSOMPOアセットマネジメントの「債券パワード・インカムF(資産成長型)」です。
年率10%程度の利回りの獲得を目指して運用されています。信託報酬は、年率1.38%です。 純資産額は、779億円で過去1年で約8割にあたる643億円の資金が流入しています。
設定日は、2021年と新しく、2028年3月に償還される予定です。ただ過去1年の基準価額の騰落率は、▲24%とふるわない結果。これは米国の金利上昇による債券の値下がりが影響したようです。
また、フィデリティ投信の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 」にも資金が流入しています。ハイ・イールドとは利回りが高い債券のこと(そのかわりに信用格付が低い)。純資産総額は、5597億円で直近1年間で約1割の597億円の資金が入りました。
設定されたのは、1998年と長い運用実績がある点も評価されていそうです。過去1年の基準価額は8%上昇、3年では46%上昇とリターンは高めです。信託報酬は年率1.58%です。
債券だけでなく株にも分散投資すバランスファンド
債券だけでなく株式にも投資するバランスファンドという選択肢もあります。これは、ファンドマネージャーが、投資環境に応じて運用資産の株式や債券の比率を適宜組み替えてくれます。
バランスファンドで資金が流入しているのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「NWQフレキシブル・インカムF為替ヘッジなし(毎月決算型) です。米国を中心に海外の先進国のハイ・イールド債券や株式に分散投資しています。
純資産額は2104億円で、過去1年間で608億円増加しました。信託報酬は年率1.025%です。
設定は、2018年で2028年の11月に償還されます。過去1年の基準価額は5.3%上昇、3年では26%上昇しています。
ファンドを選ぶ際は、コストが安いほうがリターンも良くなるので、保有期間中ずっと支払う信託報酬のなるべく低いファンドを選びましょう。運用が上手なファンドには資金も集まりやすいので、純資産残高が増えていることは一つの目安になるでしょう。
文・北川茂樹(Webライター)
編集・dメニューマネー編集部
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